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メルケル独首相の孤立深まる-伊首相とECB総裁からも圧力

ドイツのメルケル首相は欧州債務危 機の泥沼化をめぐる批判にさらされ、孤立を深めている。31日にはイタ リア首相と欧州中央銀行(ECB)総裁がともに、ユーロ圏経済の安定 化に向けたより大胆な措置をメルケル首相に迫った。

イタリアのモンティ首相とECBのドラギ総裁は、欧州の救済基金 が経営難銀行に資本を直接注入することへの反対をドイツが撤回するよ うに訴えた。モンティ首相は共同債発行へのロードマップも求め、ドイ ツ側を逆なでした。

モンティ首相はこの日ブリュッセルでの会議で、自らをドイツ的な 財政規律の信奉者と呼んだ上で、安定した経済についてのメルケル首相 のビジョンが「危機波及に歯止めをかけるために必要な仕組みの整備の 遅れによって損なわれるリスクがある」と論じた。

金融市場はユーロ売りとドイツやフランス国債への資金逃避で、2 年以上にわたる危機のストレスを浮き彫りにしている。

恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)による銀 行への資本注入とユーロ共同債導入へのロードマップ作成を呼び掛けた 欧州連合(EU)欧州委員会の30日の提言はドイツの拒否に遭った。

メルケル首相は31日の発言で、危機との闘いに「タブーはない」と する一方で、経済力や財政運営がまちまちの諸国で構成する通貨同盟の 瑕疵(かし)を修復することは「5-10年」をかけた取り組みだと付け 加えた。

盟友失う

メルケル首相は今月、危機と闘う上で大切な盟友を失った。フラン スの大統領選で現職だったニコラ・サルコジ氏が社会党のフランソワ・ オランド氏に敗れたためだ。モンティ首相は30日、オバマ米大統領を交 えた電話会議でオランド新大統領とともにメルケル首相に対応を迫っ た。

31日にはモンティ首相とイタリア中銀のビスコ総裁、ドラギECB 総裁がそろって、ESMによる銀行直接支援を認める欧州委の案を支持 するよう訴えた。

ドラギ総裁は「銀行の資本増強にESMを活用し得る方法がない か、実際に検討している人々がいる」と述べた上で、「問題はESMの 資金を銀行の資本増強に使えるかということよりもむしろ、政府を通さ ずにこれを直接行えるかどうかだ」と語った。

銀行の資本増強問題に加えて、ギリシャが来月の選挙で救済合意を 支持する政府を誕生させるように働き掛けることや、それができない場 合の対応も課題だ。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル 議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)はこの日、ギリシャの財政調整プ ログラムについて、期間を1年間延長する必要があるとの考えを示し た。欧州各国はスペインにも赤字削減の目標達成までさらに1年の猶予 を与えることを検討する。

原題:Merkel’s Isolation Deepens as Draghi Knocks Anti-Crisis Strategy(抜粋)

--取材協力:Helene Fouquet、Patrick Donahue.

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