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スペインを救済の深みに引きずり込むバンキアの渦潮

スペインはバンキア・グループとい う「渦潮」によって、救済の深みに引きずりこまれるリスクに直面して いる。

同国3位の銀行であるバンキアは政府に190億ユーロ(約1兆8600 億円)の追加支援を求めた。世界の投資家はスペインの銀行業界全体を 支えるコストについて憶測をめぐらせ、同国政府が負担できる範囲を超 えるだろうとみている。その結果スペイン国債は買い控えられ、政府の 資金調達を支えるのは国内の銀行のみとなり、10年債のドイツ国債に対 する上乗せ利回りは記録的な水準になっている。

クオンタム・グローバル・ウェルス・マネジメントで運用に携わる エドワード・トマス氏は「スペインは債券発行によって銀行救済の資金 を調達できないという問題に直面している」とし、「スペインは本格的 な大嵐に見舞われている」と語った。

スペインの銀行は不動産バブル破裂の後遺症に苦しんでいる。これ を救済しようとする政府は資金調達で国内銀行への依存を深めている が、銀行は欧州中央銀行(ECB)のリファイナンスオペに頼って生き 延びている状態。資金コストの高まりはラホイ政権を国際支援の要請へ と押しやりつつある。スペインを救済するなら、今までで最大の規模と なる。

スペイン10年債利回りは30日に、21ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の6.63%となった。ユーロ導入後の最高は昨年11月17 日に付けた6.78%。一方、質への逃避でドイツ2年債の利回りはゼロま で下がった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のアンドルー・ボゾムワース氏は、バンキアが「銀行システムの穴の大 きさ」に関して疑念を生み出したため、スペインは信頼性の問題に直面 していると指摘した。29日にブルームバーグテレビジョンとのインタビ ューで語った。

スペイン政府の2014年末までの総資金調達ニーズと銀行資本増強 の750億ユーロを合わせると、救済の場合の必要額は約3500億ユーロ (約34兆円)に上る。JPモルガン・チェースのチーフエコノミスト、 デービッド・マッキー氏(ロンドン在勤)が30日付のリポートで試算を 明らかにした。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日、問題の大きさを過 小評価して銀行の資本増強を遅らせることは「最悪のやり方だ」と語っ た。欧州議会の委員会での発言で、資本増強の必要額を査定する際は 「大き過ぎるくらいに見積もり、透明性は高過ぎるくらいがいい。必要 額を過小に評価して後で気付くのは痛みが大きい」と述べた。議会でバ ンキアとフランス・ベルギー系のデクシアについての問いに答えた。

スペインが銀行のみの救済を求めることができるかどうかは不透明 だ。欧州連合(EU)の欧州委員会は30日、恒久的な救済基金である欧 州安定化メカニズム(ESM)が政府を通さずに銀行に資本を注入でき るようにするべきだとのスペインの意見を支持したが、ドイツは依然と してこれに反対している。

スペインがいつまでもちこたえられるかについてはさまざまな見方 があるが、10月には200億ユーロ相当の国債が償還期限を迎える。ま た、6月には外部の監査法人がスペインの銀行のストレステスト結果を 公表する予定。その後に必要な追加資本の額を明らかにする詳細な報告 が発表される。

原題:Bankia Vortex Risks Dragging Spain to Bailout as Costs Mount (2)(抜粋)

--取材協力:Gabi Thesing.

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