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ドラギ総裁:ECBの危機対応は支払い能力ある銀行支援中心

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総 裁は31日、欧州危機への同中銀の対応は支払い能力のあるユーロ圏の銀 行への支援が引き続き中心になると表明した。危機の原因に対処するこ とはECBの仕事ではないとあらためて強調した。

同総裁は欧州議会の委員会で「ECBは支払い能力のある銀行への 融資を続ける。そのような銀行に対しては流動性支援が利用可能な状態 を維持する」と語った。

ECBはこれまで、銀行システムへの1兆ユーロ余りの大量資金供 給や記録的低金利政策、国債購入によって危機との闘いの最前線に立っ てきた。

金融市場の波乱を和らげ債券スプレッド拡大に歯止めをかけるため の取り組みを強めることが可能かとの問いに対し、ドラギ総裁は、「各 国政府の無為が残した空白」を埋めることは「ECBの責務ではなく、 ECBはそのような負託も受けていない」と述べた。財政、構造、統治 の面での政府の行動の欠如に言及した。

ドラギ総裁は、混乱はまだ「2011年11月に達したのと同じレベルに は至っていない」と述べ、ECBが3回目の3年物資金供給オペの実施 を急ぐ考えはないことを示唆した。ECBは市場の緊張を受けて昨年11 月に、3年物リファイナンスオペについて検討を開始していた。

総裁はさらに、ECBの融資は銀行の流動性状況を改善させること はできるが、銀行セクターにおけるリスク回避志向や資本不足の問題を 解決することはできないと指摘した。

その上で、より中央集権的な監視の枠組みがあれば、銀行の資本増 強が容易になると述べ、恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム (ESM)を銀行への資本注入に活用することへの支持を示唆した。

ドラギ総裁は「銀行の資本増強にESMを活用し得る方法がない か、実際に検討している人々がいる」と述べた上で、「問題はESMの 資金を銀行の資本増強に使えるかということよりもむしろ、政府を通さ ずにこれを直接行えるかどうかだ」と語った。

ただ、ドイツやフィンランドがそのような資金の利用について政府 が発言権を持つことを主張していることから、「巨額の資金があっても 誰もそれを使えない」ことになるリスクがあると総裁は述べた。

原題:Draghi Sees ECB Serving Solvent Banks as Crisis Vacuum Persists(抜粋)

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