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4月の鉱工業生産は2カ月連続上昇、予想は下回る

4月の日本の鉱工業生産指数は前月 比で2カ月連続のプラスとなった。上昇率は市場予想を下回った。震災 復興需要や政策効果に支えられた堅調な内需の後押しで生産は持ち直し の動きが続いている。先行きは一進一退が見込まれ、欧州の政府債務問 題や円高進行などリスク要因の高まりを懸念する声も出ている。

経済産業省が31日発表した鉱工業指数速報(季節調整済み、2005年 =100)によると、生産指数は前月比0.2%上昇の95.8。自動車などの輸 送機械や化学、電気機械などが上昇を後押しした。ブルームバーグ調査 の予想中央値は同0.5%上昇だった。

先行きの生産動向を示す製造工業生産予測指数は、5月が前月 比3.2%低下、6月は同2.4%上昇が見込まれている。経産省は生産の基 調について「総じてみれば、生産は持ち直しの動きで推移している」と の判断を示した。

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは発表結果について、3カ 月移動平均でならした基調でみると、4月はわずかながら5カ月ぶりの 前月比マイナスになったとし、「これまでの回復基調に陰りが出始め た」と指摘。生産をけん引してきた輸送機械が引き続き堅調に推移した 半面、情報通信機械がタイ向けの洪水復興需要の息切れに伴い大きく低 下したのが背景と説明している。

政府は5月の月例経済報告で「景気は依然として厳しい状況にある ものの、復興需要を背景として、緩やかに回復しつつある」とし、総括 判断を9カ月ぶりに引き上げた。個別項目でも、企業収益をはじめ、雇 用や個人消費などの判断を相次いで引き上げた。

民需への円滑な移行が鍵

日本政策投資銀行の田中賢治・経済調査室課長は先行きについて、 5月予測の落ち込みは、大型連休の曜日並びや震災後の電力不足による 稼働日数への影響で、季節調整を行う際に統計上のゆがみが出た結果と して、「生産の腰折れを示すものではない」と指摘。こうした影響を除 くと増加基調は続いているとし、「当面、政策効果に支えられながら、 生産は持ち直しを続ける」と述べた。

ただ、今後生産が下振れるリスクも指摘されている。熊谷氏は先行 きの生産は総じて底堅く推移するとしながらも、「エコカー補助金復活 の効果が一巡しつつあることや、欧州債務問題の再燃に伴う海外経済の 減速と円高進行など、下振れリスクが高まっている点には留意が必要」 と話す。田中氏も政策効果に支えられた生産が「年度後半も増加基調を 持続できるかは、民需へ円滑なバトンタッチができるかにかかってい る」との見方を示した。

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