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米シティ:国債40兆円保有の地銀にヘッジ商品販売、金利上昇リスク

米シティグループは国内地銀向けに 日本国債の価格下落リスクをヘッジする金融商品の販売を開始するこ とが分かった。長期金利が過去9年間で最低水準を更新する中、約40 兆円の国債を保有する地域金融機関に照準を合わせる。

米シティは31日から日本全国の地銀・第二地銀106行を対象に、 リスクヘッジを目的とする私募投資信託の販売を始めた。シティグルー プ証券総合法人営業部の宮前学部長はブルームバーグ・ニュースの取材 に対し、最大2000億円の運用資産規模を目標にしていると述べた。

地銀は2月末時点で41兆6000億円の国債を保有。長期金利が今後 上昇に転じると国債価格の下落から損失を招くリスクがある。日本では 国内総生産(GDP)の2倍以上に膨らんだ債務への政府の対応が焦点 となっており、格付け機関のフィッチは22日、削減ペースが遅いなど として国債格付けを引き下げた。

シティグループの宮前氏は「地域金融機関の間では、金利上昇に対 するヘッジニーズが高まっており、ソリューションを求めている」と述 べた。同社では信金・信組や信託銀行についても顧客対象として想定し ているという。国債市場では31日、10年国債の利回りは0.81%と03 年7月以来の最低水準を更新した。

リスク管理

全国地方銀行協会によれば、2月末の地銀の国債保有残高は1前年 から9%増加。中西勝則協会長(静岡銀行頭取)は5月16日の定例会 見で「預金が増加し、貸出がなかなか伸びない状況で、国債依存から大 きく脱却することは難しい」とし、金利リスクには「しっかりとストレ ステストを行い、リスク管理をしていくしかない」と発言している。

日銀の白川方明総裁は2月に、長期金利が1%上昇した際の影響に ついて、価格下落に伴う損失額は大手行で3兆5000億円、地方銀行な どで2兆8000億円に上るとの試算を明らかにした。

国債を3633億円保有する足利銀行では、金利上昇リスクを警戒し ている。資金証券部の石川裕之次長は「金利がどの程度上昇するのか、 複数のシナリオを持って見ている」と述べた。その上で、現在の金利水 準では新規投資は難しく、リスクヘッジに特化した金融商品に「関心を 持って情報収集を行っている」という。

シティグループが販売する金融商品は、固定金利を支払い、変動金 利を受け取る円金利スワップ取引で、金利が上昇した際に利益が出る。 シティは、この商品の販売などを通じて、信託報酬や事務手数料を稼ぐ ことができる。運用は独立系のシンプレクス・アセット・マネジメント が行う。

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