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5月30日の米国マーケットサマリー:10年債利回りが過去最低

ニューヨークの為替・株 式・債券・商品相場は次の通り。 (表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.2369   1.2503
ドル/円             79.09    79.49
ユーロ/円           97.83    99.39


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種     12,419.86    -160.83   -1.3%
S&P500種         1,313.32    -19.10    -1.4%
ナスダック総合指数  2,837.36    -33.63    -1.2%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .27%        -.02
米国債10年物     1.62%       -.12
米国債30年物     2.71%       -.13


商品 (中心限月)            終値    前営業日比  変化率
COMEX金 (ドル/オンス) 1,565.70  +14.70  +.95%
原油先物    (ドル/バレル)    87.61   -3.15 -3.47%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対して約2年 ぶり安値に下げた。資金難に陥ったスペイン国内銀行の救済は調整 が難航しており、欧州債務危機拡大への不安が高まった。

ユーロは対円で7営業日続落。過去4カ月間で最も長い連続安 となった。この日のイタリア国債入札は、発行額が目標上限を下回 った。投資家が安全資産を求める動きが強まり、円とドルは上昇。 ユーロ圏の5月の消費者信頼感指数が予想以上に悪化したことが背 景にある。アジア諸国の通貨は売りが膨らみ、ブルームバーグ・J Pモルガン・アジア通貨指数は2010年9月以来の低水準に押し下 げられた。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・ フォチェスキ氏(ニューヨーク在勤)は「市場はユーロに対する信 認を失った」とし、「若干売られ過ぎの感もあるが、先行きは非常 に明快で、1.20ドルもしくは2010年に付けた安値の1.1876 ドルを試す展開になる可能性がある。投資家は非常に守りの堅い取 引を続けるだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時37分現在、ユーロはドルに対して 前日比0.9%安の1ユーロ=1.2394ドル。円に対しては1.6% 安の97円87銭。一時97円76銭と、1月18日以来の安値に下 げた。円は対ドルで0.7%高の1ドル=78円97銭。一時、78円 87銭と2月17日以来の高値を付ける場面もあった。

◎米国株式市場

米株式相場は反落。中古住宅販売成約指数が期待外れの内容だ ったことが嫌気された。またギリシャのユーロ圏離脱懸念およびス ペインの銀行の健全性への不安も強まった。S&P500種株価指数 は、このままいけば月間ベースでは昨年9月以来の大幅安となる。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比1.4%安の1313.32。ダウ工業株30種平均は

160.83ドル(1.3%)下げて12419.86ドル。

ベアリング・アセット・マネジメントで運用に携わるヘイズ・ ミラー氏は「市場には強い不安感が広がっている」とし、「欧州債 務危機は終息には程遠い。米国では住宅市場が安定すれば消費は拡 大し得るとエコノミストは分析しているが、問題はどうすれば住宅 市場が安定するのかということだ」と続けた。

この日は世界的に株価が下落。一方で米国債市場では10年債 利回りが過去最低となり、ユーロは対ドルで2年ぶり安値を付けた。 ギリシャの世論調査では、国民が国際的な金融支援の条件見直しを 望んでいることが明らかになった。全米不動産業者協会(NAR) が発表した4月の中古住宅販売成約指数(季節調整後)は前月比

5.5%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中 央値は前月比横ばいだった。

◎米国債市場

30日の米国債は10年債利回りが過去最低を更新。欧州の信用 環境が悪化、投資家は米国債に安全性を求めた。

10年債利回りは1.6170%と、昨年9月23日に記録したこ れまでの最低1.6714%を下回った。スペインが国内銀行の資本増 強で苦戦しているほか、イタリア債下落も影響した。イタリア債は 入札の発行額が目標上限を下回ったことを手掛かりに下げた。

バークレイズの金利戦略共同責任者マイケル・ポンド氏は、 「今も続く米国債の上昇は質への逃避を表しており、米国債以外に 安全とされる資産があまりないことから余計に買いを集めている」 と述べ、「欧州情勢に進展が見られないことから米国債市場では不 安が広がっている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、午後1時54 分現在、10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)下げて1.63%。連邦準備制度理事会(FRB)がデ ータの集計を開始した1953年以来で最も低い水準だ。同年債の価 格(表面利率1.75%、2022年5月償還)は1 1/32上昇して 101 3/32。

リターン目当てではない

米10年債利回りはドイツやオーストラリアなど上位格付けの ソブリン債の平均利回りより22bp高い。ドイツの2年債利回りは 一時ゼロまで落ち込んだ。米2年債利回りは0.27%となっている。

米ブラックロックの債券責任者、ピーター・フィッシャー氏は 「投資家は安全性の高い資産への投資を望んでいる」と述べ、「リ ターンを目当てに米国債やドイツ債のどちらかを購入しているわけ ではない」と続けた。

米10年債利回りは金融危機が深刻化する前の2007年6月に は5.3%をつけていた。過去20年間の利回り平均値は4.96%と なっている。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデ ータによると、米国債の3月末からこれまでのリターンは2.6%。 昨年は9.8%だった。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。欧州債務危機をめぐる不安の 高まりから、資金逃避目的の買いが入った。

スペイン国債を保証するコストは過去最高となった。同国は経 営難に陥った銀行の救済に苦慮している。欧州連合(EU)はイタ リアについて、高水準の政府債務と低い成長率によって域内ソブリ ン債危機に対し一段と脆弱(ぜいじゃく)になっているとの認識を 示した。この日は世界的に株式相場が下落。ユーロは対ドルで値下 がりした。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツのシニア商品ブロー カー、フィル・ストライブル氏(シカゴ在勤)は電話インタビュー で、「金には質への逃避が見られる」と指摘。「資産保存の手段と して金のような実体的なものが求められている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物8月限は前日比0.9%高の1オンス=1565.70ドルで終了。中 心限月としては18日以来の大幅上昇となった。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は続落。7カ月ぶりの安値となった。 米国の原油在庫が大幅に増加するとの見通しが重しになった。スペ インの債務危機をめぐる不安からユーロが下落したことも原油の売 りにつながった。

ロンドン市場では北海ブレント原油が今年初めてバレル当たり 103ドルを割り込んだ。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査 によると、米エネルギー省が31日発表する先週の原油在庫は100 万バレル増加の3億8350万バレルと予想されている。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) の市場調査ディレクター、アディソン・アームストロング氏は「在 庫は新たに100万バレル積み上がり、22年ぶり高水準になると予 想されている」と指摘。「在庫水準が高いことや経済の弱さを考慮 すれば、原油が安値で取引されるのも当然だ。ドルの堅調な地合い は続くと見込まれ、それが原油を圧迫し続けるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前 日比2.94ドル(3.24%)安の1バレル=87.82ドルで終了。終 値では昨年10月21日以来の安値となった。

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