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NY外為:ユーロが対ドル2年ぶり安値、スペインの銀行不安

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対して約2年ぶり安値に下げた。資金難に陥ったスペイン 国内銀行の救済は調整が難航しており、欧州債務危機拡大への不安が高 まった。

ユーロは対円で7営業日続落。過去4カ月間で最も長い連続安とな った。この日のイタリア国債入札は、発行額が目標上限を下回った。投 資家が安全資産を求める動きが強まり、円とドルは上昇。ユーロ圏の5 月の消費者信頼感指数が予想以上に悪化したことが背景にある。アジア 諸国の通貨は売りが膨らみ、ブルームバーグ・JPモルガン・アジア通 貨指数は2010年9月以来の低水準に押し下げられた。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フォ チェスキ氏(ニューヨーク在勤)は「市場はユーロに対する信認を失っ た」とし、「若干売られ過ぎの感もあるが、先行きは非常に明快 で、1.20ドルもしくは2010年に付けた安値の1.1876ドルを試す展開にな る可能性がある。投資家は非常に守りの堅い取引を続けるだろう」と述 べた。

ニューヨーク時間午後3時7分現在、ユーロはドルに対して前日比 1%安の1ユーロ=1.2377ドル。円に対しては1.5%安の97円93銭。一 時97円76銭と、1月18日以来の安値に下げた。円は対ドルで0.5%高の 1ドル=79円08銭。一時、78円87銭と2月17日以来の高値を付ける場面 もあった。

この日のユーロは2010年7月以来の安値。10年6月には4年ぶり安 値の1.1877ドルまで下げていた。ユーロは1999年に導入された後、対ド ルで2000年に最安値の82.30米セント、2008年7月に最高値の1.6038ド ルを付けた。

下方スパイラルも

ユーロは対ドルで月初から6.4%値下がりし、昨年9月以来の大幅 な下げとなっている。円に対しては7.4%下落した。

この日の欧州債市場では、ドイツ2年債の利回りが初めてゼロを付 ける場面があった。ユーロ導入後の平均利回りは2.79%。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替ストラ テジスト、ジェーン・フォリー氏は「ユーロはさらに下げる可能性があ る。1.20ドル台に向かうだろう」とし、「問題は、下方リスクが下方ス パイラルになってしまうのかどうかだ」と述べた。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は経営難の銀行に対 するユーロ圏基金からの直接支援を呼び掛けた。またユーロ圏共同債の 発行を支持し、スペインをも脅かしつつある債務危機への対策を提言し た。

スペインの銀行増資

欧州委は恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM) が各国の政府を通さず銀行に直接資金を注入することを提案、スペイン 政府に同調した。さらに、同国の財政赤字削減の達成期限について延長 を提案する姿勢を見せている。

ウエストパックのシニア為替ストラテジスト、リチャード・フラヌ ロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャ情勢とその再選挙をめぐ るセンチメントに注目が集まっていたが、今は完全に脇に押しやられ、 スペインに関する懸念が取って代わった。欧州はあまりに広大で、政策 協調に欠けていることが問題だ」と指摘した。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは先進9カ国の 通貨に対して年初来2.2%下落。ドルは2.8%上昇。円は0.1%下落し た。

この日の円は主要16通貨の全てに対して少なくとも0.5%上昇。イ タリア国債利回りが上昇したほか、ユーロ圏の消費者信頼感指数が大幅 に悪化し、最も安全な資産とみなされる円が買い進まれた。

原題:Euro Falls to 2-Year Low Against Dollar on Spanish Bank Concern(抜粋)

--取材協力:Jeff Black、Monami Yui.

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