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債券続伸、年限長期化の買いや欧州懸念で-首相・小沢氏会談に反応薄

債券相場は続伸。欧州懸念を背景 にしたリスク回避の動きのほか、月末に向けて投資家が保有債券の年 限を長期化する買いが相場の支えとなった。一方、午後に入って、野 田佳彦首相と民主党の小沢一郎元代表との会談内容が伝わったものの、 相場への影響は限定的だった。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 「好需給環境は変わらず、欧州債務問題なども好転しておらず、懸念 材料として続いている」とし、5月半ばに利益確定売りなどで金利が 上昇した後は低下に転じていると説明。さらに、株価は軟調となって おり、日銀の金融政策スタンスへの期待感もはく落していると語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の322回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.845%で始まり、その後も 同水準で推移。午後4時半過ぎには1.5bp低い0.835%と18日以来の 水準に低下した。20年物の136回債利回りは1bp低い1.64%。30年 物の36回債利回りは午前の1bp低い1.79%から午後は1.795%にや や水準を切り上げたものの、超長期債は月末に向けた年限長期化の買 いで堅調を維持した。

東京先物市場で中心限月の6月物は3営業日続伸して取引を開始 し、午前の取引で前日比5銭高の143円46銭まで上昇。日中ベースで 18日以来の高値を付けた。午後には3銭安の143円38銭まで下げた が、その後は値を戻し、結局は2銭高の143円43銭で取引を終えた。

欧州情勢や国内政局を注視

欧州債務危機の深刻化で、29日の欧州債市場では、域内で最も安 全とされるドイツ国債の需要が高まり、同10年債利回りは過去最低を 記録。一方で、国内の銀行問題を抱えるスペインの国債は売られ、ド イツとスペインの10年債利回り格差は一時1999年のユーロ導入以降 で最大の水準に拡大している。

明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは、欧州債務問 題の不透明感が続いており、リスクオフ(回避)の動きが強まってい ると指摘。「ギリシャの再選挙の結果やスペインの財政問題の不透明感 も台頭しており、円債にも買いが続いている」と説明している。

一方、野田首相と小沢元代表は30日の午前から昼過ぎにかけて、 党本部で会談した。首相は消費増税関連法案の今国会での成立に協力 を要請したが、小沢氏はこのままでは賛成できない考えを示し、議論 は平行線に終わった。明治安田生命の小玉氏は「きょうの会談ですぐ に成果を期待していたわけではないので、短期的な市場の反応はほと んどない」と話した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、今後のシナリオは大 きく分けて①野田氏が小沢グループと決別、自民党と協力し法案を可 決②法案がたなざらしになり、9月の民主党代表選まで打開策が見え ない-の2つあると指摘。松沢氏は①は債券にポジティブだが、小沢 グループ以外の民主党員の同意を取り付けることは困難のため、②に 近くなると言い、「欧州のテーマが一巡したところで、債券にはネガテ ィブな材料として取り沙汰される」との見方を示した。

--取材協力:池田祐美 Editors:山中英典、青木勝

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