中国:大型の景気刺激策、繰り返さず-融資急増の副作用警戒

中国は2008年の世界的な信用危機時 に打ち出した大型の景気刺激策のような規模の景気対策を導入する計画 はない。国営の新華社通信が報じた。

新華社は29日、経済政策に関する記事で「中国政府の考えは極めて 明確だ。高い経済成長を目指して新たに大規模な刺激策を実施すること はない」とし、「成長安定化のための現在の取り組みは、3年前の古い やり方の踏襲にはならない」と説明した。情報源は示していない。中国 は08年、4兆元(現在の為替レートで約50兆円)の財政出動を伴う景気 刺激策を講じた。

景気対策の規模抑制は、前回の刺激策導入に伴う記録的な融資ブー ムが08-09年の貿易縮小を乗り切るのに寄与したものの、不良債権危機 のリスクを高めたことを反映している。国務院は温家宝首相が先週示し た成長重視の方針を承認したが、温首相が求めていた融資拡大策は見送 られた。

英銀スタンダードチャータードのスティーブン・グリーン氏(香港 在勤)らエコノミストは今週の顧客向けリポートで、「国務院は慎重な がらも十分な景気刺激措置を導入しつつある。これは8月から9月にか けて経済に効果を及ぼし始めるはずだ」と指摘。融資急増がインフレ加 速と不動産価格上昇につながるとの懸念が「銀行融資のペースがずっと 抑制されたものになっている」点に反映されていると分析した。

29日の新華社電は、これまで景気下支えに活用された政策金利や預 金準備率といった中国人民銀行(中央銀行)の政策手段には触れていな い。2人の記者の署名記事であるものの、意見や論評だとの断り書きも ない。

クレディ・スイス・グループとスタンダードチャータードのエコノ ミストらは28日、今年の刺激策は08年の4兆元規模を下回る可能性が高 いとの見方を示していた。

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