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5月29日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ、対ドルで10年7月来安値-スペインの銀行不安

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して下落。2010年 7月以来の安値を付けた。資金難に陥った銀行を抱えるスペインの資本 増強能力をめぐる懸念が高まり、欧州債務危機が悪化しているとの観測 が広がった。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.25ドルを割り込んだ。同水準を下回 るのは今月に入り2度目。米格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーテ ィングスがスペインの格付けを「BB-」から「B」に引き下げたこと が嫌気された。スペイン当局者がバンキア・グループの増資方法につい て議論を重ねる中、ユーロは主要取引通貨の大半に対して下落。一方、 円は安全な資産としての逃避需要が高まり、主要取引通貨の約半数に対 して上昇した。スウェーデン・クローナとノルウェー・クローネは値を 下げた。

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏(ニュー ヨーク在勤)は「全てはスペインとその銀行をめぐる展開や、支援規模 をめぐるシナリオにかかっている」と述べた。「ただギリシャも依然と して影を落としている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ユーロは対ドルで前営業日 比0.4%安の1ユーロ=1.2495ドル。一時、1.2461ドルと2010年7月1 日以来の安値を付ける場面もあった。月初からは5.6%安と、昨年9月 以来の大幅な下げとなっている。ユーロは円に対して0.3%安の1ユー ロ=99円36銭。一時は98円94銭と、1月23日以来初めて99円を下回っ た。今月に入りユーロは対円で6%下げている。円は対ドルで0.1%安 の1ドル=79円52銭。

売り越しが増加

テクニカル分析の下値支持線を抜けたユーロは、1.25ドルを割り込 んで以降一段と下げ足を速めた。

ソシエテ・ジェネラルの為替調査責任者、キット・ジャックス氏 (ロンドン在勤)は「1.30ドルを下回って以降、大きな反発は見られ ず、売り持ちにしている投資家に損が生じる局面は出ていない」と指 摘。「このため、投機的なポジションは非常に大きいとの報告がありコ ンセンサスが完全に弱気に傾いている中で、ユーロの着実な下落が続 く」と解説した。

米商品先物取引委員会(CFTC)の建て玉明細によると、ユーロ のドルに対する下落を見込んだ売り持ちのポジションは、5月22日終了 週に過去最高に達した。ユーロのネットショート(売り越し)は19 万5361枚と、前週の17万3869枚から増加した。

スウェーデン・クローナは主要16通貨全てに対して下落。対ドルで は0.6%安の1ドル=7.2054クローナとなっている。ノルウェー・クロ ーネは同0.2%安の6.0194クローネ。

バンキア不安

スペインは同国3位の銀行、BFAバンキアの資本増強で現金では なく公債を注入するとした案を撤回した。ラホイ首相の下で、財政負担 を抑える銀行救済策の調整が難航している。

同国経済省の報道官は28日、政府がBFAバンキアに現金ではなく 公債を注入することを検討していると明らかにしたが、スペイン国債利 回りは上昇、投資家も同案を批判した。報道官は29日、同案は190億ユ ーロ(約1兆9000億円)規模のバンキア救済の中心的な選択肢ではない と述べた。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループの為替ストラ テジスト、ブライアン・キム氏(コネティカット州スタンフォード在 勤)は、「当社はスペインの銀行救済をめぐる最近の議論の中で、欧州 中央銀行(ECB)がどういった関わりを持つことになるのかを見極め ようとしている」とし、「足元で見られるユーロの動きはどれも、必ず しも決定的なものではない。不透明感が強いためだ」と述べた。

原題:Euro Declines Versus Dollar as Spain Bank Concern Damps Demand(抜粋)

◎米国株:上昇、住宅市場安定化の兆し-ギリシャめぐる懸念も後退

米株式相場は上昇。ギリシャの世論調査の結果を受けて同国のユー ロ離脱懸念が後退したほか、経済指標で米住宅市場の安定化が示唆され たことが背景にある。S&P500種株価指数は先週、週間ベースでは4 月以来初の上昇となった。

S&P500種の業種別10指数は全て上昇。特に素材株とテクノロジ ー株の上げが目立った。住宅建設のD.R.ホートンやパルト・グルー プが高い。全米20都市の住宅価格は下落ペースが減速した。このほか、 キャタピラーやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、アルコアも上昇。 一方で、フェイスブックは大幅安。新規株式公開(IPO)以降、24% 値下がりしている。

S&P500種株価指数は前営業日比1.1%高の1332.42。先週は1.7% 上げていた。ダウ工業株30種平均はこの日125.86ドル(1%)上げ て12580.69ドル。

チャールズ・シュワブの市場・セクター分析担当ディレクター、ブ ラッド・ソーレンセン氏は「住宅市場では確実に安定化の兆しが見られ つつある」と指摘。「米経済はまずまずのようだ。加えて、ギリシャの ユーロ圏離脱やデフォルト(債務不履行)が差し迫ってはいないとの安 堵(あんど)感も若干広がっている」と加えた。

米国株はこの日、世界的な株高の流れを引き継いだ。ギリシャで26 日公表された6つの世論調査の結果によれば、支援受け入れに基づく緊 縮計画に肯定的な新民主主義党(ND)の支持率がいずれの調査でも最 も高くなった。28日の米株式市場はメモリアルデーの祝日で休場だっ た。全米20都市を対象にした3月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は2.6%低下と、低下率はこ こ1年余りで最小となった。

スペイン格下げ

スペインの危機悪化懸念から外国為替市場ではユーロが対ドルでほ ぼ2年ぶりの安値に下落。これを手掛かりに米国株は一時上げを縮める 場面があった。米格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーティングス は、スペインのソブリン信用格付けを「B」に設定し、従来の「BB -」から引き下げた。スペイン政府は、一部国有化した銀行バンキア・ グループの資本増強の方法を検討している。

S&P500種は月初来では4.7%安で、このままいけば月間ベースで は昨年9月以降で最大の下げとなる。

景気敏感株で構成するモルガン・スタンレーのシクリカル指数は 2%上昇。S&Pの住宅建設株指数は1.9%上げた。D.R. ホートン は2.5%高の17.43ドル。パルト・グループは2%高の9.52ドル。建機最 大手のキャタピラーは2.9%上昇し92.52ドル。BOAは4.1%上げ て7.44ドル。アルコアは3%高の8.89ドル。

フェイスブック

フェイスブックは9.6%安の28.84ドル。この日からオプション取引 が始まった。18日のIPO価格は38ドルだった。

バール・アンド・ゲイナーで資産運用に携わるマット・マコーミッ ク氏は、「投資家は失望している」と述べ、「多くの投資家は誇大広告 を信じていた。こうした不安定な市場環境では投資家はリスクを取りた がらない」と続けた。

原題:S&P 500 Rises on Greece as U.S. Home Data Signal Stabilization(抜粋)

◎米国債:10年債利回りが最低付近で推移-欧州情勢に懸念広がる

29日の米国債は利回りが過去最低付近で推移。スペインの銀行救済 力に対する懸念から安全性が高いとされる米国債の需要が高まった。

スペイン政府が同国の銀行バンキア・グループの資本増強のために 債券発行が必要になるかもしれないとの見解を示したことから、欧州債 務危機が悪化しているとの懸念が広がった。米民間調査機関のコンファ レンス・ボードがこの日発表した5月の消費者信頼感指数は市場の予想 に反して低下した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エド モンズ氏(ニューヨーク在勤)は、「欧州発のニュースは何一つとして 明るいものがない」と述べ、「投資家は米国債を割安だとは考えていな いが、それを買うより他に方法がない」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上げて1.75%。同年債(表面利率1.75%、2022年5月償還) 価格は2/32下げて100 1/32。利回りは一時1.71%と、昨年9月23日に記 録した 1.6714%の最低記録に迫った。

米国債リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債のリターンは3月末からこれまでに2.6%。年初来では1.2% となっている。

10年債利回りの今年最低水準は5月17日に記録した1.69%。3月20 日には2.4%の高水準をつけていた。ブルームバーグが金融機関を対象 にまとめた予想の中央値によると、年末までには2.44%への上昇が見込 まれている。

米国債は過去最も割高とされる水準に近づいていることが示唆され ている。米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金 融モデルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はマイ ナス0.8%と、今月17日に付けた過去最も割高な水準となる0.83%に近 づいている。マイナスのタームプレミアムは適正水準を下回る利回りで も投資家が積極的に受け入れていることを意味する。

スペイン政府にとって、同国の銀行バンキアの資本増強のため公 債を注入することは中心的な案ではなく、政府はバンキア増強のために 債券発行で資金を調達することを選好している。経済省の当局者が29日 の電話インタビューで、政府方針として匿名で語った。

また、スペイン銀行(中央銀行)のオルドニェス総裁は、任期満了 を待たず1カ月早く退任する。同中銀が電子メールで発表した。

ギリシャ離脱の確率

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は、「欧州危機への懸念 が再燃している」と述べた。

シティグループのエコノミストらはこれまで、ギリシャ離脱の確率 を最大75%と予測してきたが、現在は来年1月1日の離脱を「基本シナ リオ」と想定している。BOAメリルリンチのストラテジストらは、ギ リシャ離脱後のユーロ圏経済が2008年のリーマン破綻後と同じようなリ セッションに見舞われ、少なくとも4%のマイナス成長に陥ると予想す る。

FRBのデータによると、プライマリーディーラー(政府証券公認 ディーラー)の米国債保有額は16日時点で1080億ドルと、過去最大とな った。

原題:U.S. 10-Year Yields Trade Close to Record Lows on Europe Concern(抜粋)

◎NY金:3日ぶり下落、ドル上昇で代替需要が後退-終値1551ドル

ニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに下落。スペインの金融情 勢が悪化しているとの懸念を背景にドルが上昇したことで、代替投資先 としての金の需要が減退した。

ドルは主要6通貨のバスケットに対して一時0.2%高。格付け会社 イーガン・ジョーンズはスペインの格付けをこれまでの「BB-」から 「B」に引き下げた。今月に入ってドルは4.8%上昇、金は6.8%値下が りしている。

カントリー・ヘッジング(ミネソタ州セントポール)のマーケット アナリスト、スターリング・スミス氏は電話インタビューで、「今回の 格下げで欧州の危機が深刻化しているとの懸念が強まり、金は下げに転 じた」と指摘。「ドルが選好されている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前営業日比1.3%安の1オンス=1551ドルで終了。中心限月とし ては23日以来の下落となった。前日はメモリアルデーの祝日でフロア取 引は休場だった。

原題:Gold Drops First Time in Three Days in New York as Dollar Gains(抜粋)

◎NY原油:3日ぶり下落、スペイン格下げによるユーロ下落で

ニューヨーク原油先物相場は3営業日ぶりに下落。格付け会社イー ガン・ジョーンズ・レーティングスによるスペイン格下げをきっかけ に、ユーロがほぼ2年ぶりの安値となったことが背景。

イーガン・ジョーンズはスペインの格付けをこれまでの「BB-」 から「B」に引き下げた。スペインでは銀行バンキア・グループの資本 増強の方法について討議が続いており、ギリシャを中心としたソブリン 債危機が拡大しつつあるとの見方が強まっている。これより先、米株式 相場の上昇を背景に、原油は1週間ぶりの高値を付ける場面もあった。

アイアイトレーダー・ドット・コムの創業者で市場担当チーフスト ラテジストのリチャード・イルチスジン氏(シカゴ在勤)は、「石が転 げ落ちるようにユーロは値下がりした」と指摘。「原油はスペイン情勢 悪化に伴う為替動向の影響を受けている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前営業 日比10セント安の1バレル=90.76ドルで終了。今月に入ってから は13%下落。一時は92.21ドルと、22日以来の高値を付けた。前日はメ モリアルデーの祝日でフロア取引は休場だった。

原題:Oil Slips as Spanish Downgrade Pushes Euro Near Two-Year Low(抜粋)

◎欧州株:上昇、米住宅市場の安定化兆候で-CGGベリタス高い

29日の欧州株式相場は上昇。ここ4営業日で3日目の上げとなっ た。中国が大規模な刺激策を導入する方針はないとの新華社報道があっ たものの、この日発表された経済データで米住宅市場の安定化兆候が示 され、相場を押し上げる材料となった。

原油・天然ガス探査のCGGベリタスは5.7%上昇。UBSが同銘 柄の購入を勧めたことが手掛かり。鉄鋼メーカーのアルセロールミタル は4.1%上昇。HSBCホールディングスによる投資判断引き上げが好 感された。

一方、スペインの銀行、バンキアが16%急落するなど、同国株が売 られた。同国最大の石油会社、レプソルYPFは2008年以降で最もきつ い下げとなった。配当性向を引き下げたことが嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の244.30で終了。一時 は0.2%下げた。3月16日に付けた年初来高値は10%下回っている。

CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は 「米経済が引き続き突出するとの期待がある」とし、「それで欧州の相 場は下げの流れから引っ張り上げられている」と語った。

この日の西欧市場では、スペインとポルトガルを除く16カ国で主要 株価指数が上昇した。

全米20都市を対象にした3月の米スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で2.6%低下。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値と一致した。 前月は3.5%の低下だった。

原題:European Stocks Rise as U.S. Home Prices Stabilize; CGG Gains(抜粋)

◎欧州債:独10年債利回り過去最低、危機深刻化を懸念-英国債は軟調

29日の欧州債市場ではドイツ10年債相場が上昇し、利回りは過 去最低を記録した。欧州債務危機の深刻化で、域内で最も安全とされ る同国債の需要が強まった。

ドイツ国債は月間ベースでは今年最大の上げとなる勢い。これに 対し、スペイン国債は下落。同国の当局者が政府はバンキア・グルー プの資本増強の資金を債券市場で調達する案を選好していると発言し たことに反応した。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、オ ーストリア中銀のノボトニー総裁が、ECB当局者はユーロ圏の利回 り上昇を抑制するための国債購入再開を協議していないと明らかにし たことも、ドイツ国債への支援要因となった。

RIAキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ニック・スタ メンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、ドイツ債の利回り低下につ いて「スペインの銀行セクターに関するマイナス材料に対して、リス ク市場がいかに神経質かを示している」と述べ、「スペインの銀行問 題をめぐる不透明感の継続が投資家を安全資産へと導き、独10年債 利回りは過去最低を更新するだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時14分現在、ドイツ10年債利回りは

1.37%と、前日からほぼ変わらず。一時は1.345%まで下げ、これ までの最低を付けた。同国債(表面利率1.75%、2022年7月償還) 価格は103.58。

スペイン国債は3日続落。2年債利回りは15ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇し4.62%。昨年12月12日以来の 高水準となる4.69%まで上げる場面もあった。5年債利回りは9b p上げ5.83%。

スペイン10年債の同年限のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅 (スプレッド)は5bp縮小の507bp。一時は516bpに達し、 1999年のユーロ導入以来の最大となった。

英国債は下落

英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委 員会(MPC)のブロードベンド氏が今月開かれたMPCで景気刺激 策を拡大しなかったのはインフレ見通しに基づく妥当な判断だと語っ たことに反応した。

英10年債利回りは1.78%に上昇した。24日には1.738%と、 過去最低を付けていた。同国債(表面利率4%、2022年3月償還) 価格は119.805。

原題:Bund Yield Falls to Record on Debt Crisis; Spanish Notes Slide(抜粋) Pound Approaches 3 1/2-Year High Versus Euro on Spanish Concern(抜粋)

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