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丸紅:米ガビロンを買収、穀物取扱量で穀物メジャーに迫る

総合商社の丸紅は、米穀物3位のガ ビロンの全株式を約36億ドル(約2860億円)で米投資ファンドなどから 9月をめどに取得する。買収により丸紅の穀物取扱量は年間3300万トン となり4000万トン規模の米カーギルなど穀物メジャーに迫る水準にまで 拡大する。

岡田大介常務執行役員は29日午後、都内本社で開いた記者会見で 「丸紅の穀物戦略は次のステージへと大きくステップアップできる」と したうえで「日本を中心としたアジアへの食糧の安定供給を強化する」 と強調した。

ガビロンの株主である米ヘッジファンドのオスプレイ・マネジメン トなどから取得する。丸紅にとって今回の投資額は過去最大の案件とな る。ガビロンの持つ負債を含めると総額56億ドル(4450億円)となる。

丸紅の世界の穀物貿易における取扱量は2013年3月期見通し で、2500万トンと国内トップ。ガビロンを買収することで800万トン分 が上乗せされるという。丸紅によると、カーギルなど穀物メジャーと呼 ばれる企業の同取扱量は3000万トンから4000万トン規模。丸紅は取扱量 で穀物メジャーの一角を占めることになる。

ガビロンは米国内に145の穀物集荷施設を持ち、トウモロコシ、大 豆、小麦などを主に同国内向けに取り扱っている。前身は米食品会社コ ナグラ・フーズ傘下の商品トレーディング部門で、08年にオスプレイな どが27億5000万ドルで買収した。

会見に同席した松村之彦最高財務責任者(CFO)は、今回の買収 資金の手当てについて「手元の現預金と一部銀行借り入れで対応する」 と説明。13年3月末に純有利子負債倍率(DER)を1.8倍程度と12年 3月末の1.92倍から引き下げるとした目標については「ターゲットは変 更しない。財務規律は順守する」と述べた。

また、買収に伴うのれん代の詳細については明らかにしなかった が、ガビロン買収によって14年3月期以降に「1億ドルをはるかに超え る収益貢献をしてくれる」との見通しを示した。

日本格付研究所(JCR)は同日、ガビロン買収の発表を受けて 「投資金額は丸紅の純資産額の約3分の1に相当しており、投資集中の リスクは無視できない」と指摘。「直ちに格付けを見直す必要はないと 判断しているが、事業の進捗状況について注意深く見守り、必要に応じ て格付けへの織り込みを検討する」などとするコメントを発表した。

ガビロンの買収をめぐっては、今年に入って株主の投資ファンドが 売却に向けた入札を開始。米穀物メジャーが株式を取得すれば独占禁止 法に抵触する恐れがあるため、日本の商社にとっては穀物事業を一気に 強化できる好機となり、三菱商事など他の商社も関心を示していた。ガ ビロン側の財務アドバイザーは米モルガン・スタンレーが、丸紅側は野 村証券が務めた。

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