コンテンツにスキップする

福島原発事故由来のマグロの放射能汚染、体外排出で低下へ

炉心溶融事故を起こした東京電力・ 福島第一原子力発電所の沖合を回遊するマグロから検出された放射能に ついて、放射性物質が海洋中で長期間にわたって薄まる中で低下してい く見通しを専門家が示した。

28日に発行された米科学アカデミー紀要に掲載された研究の中で、 ダニエル・マディガン、ニコラス・フィッシャー両氏は、昨年8月にサ ンディエゴ沖合で捕れたクロマグロ15匹から通常の10倍の放射性セシウ ムが検出されたことについて、福島第一原発から放出された放射能の 「明白な証拠」と指摘した。

研究者らはセシウムは微量で人体への影響はないとしている。フィ ッシャー氏によると、セシウムは食物連鎖で「濃縮」されていく性質が あるが、クロマグロは体外に1日当たり約2%の割合で排出するため、 汚染度合いは低下していくという。

ストーニーブルック大学(ニューヨーク)教授のフィッシャー氏は 電子メールでの問い合わせに対し、「餌になる魚の汚染度、最終的には 水の汚染度による。水の汚染度が徐々に低下すれば、希薄化と拡散で生 体内の放射能は低下する」と答えた。

高級すしネタ

クロマグロは高級すしネタで、一番脂が乗った大とろは1貫1000円 以上する。スタンフォード大学ホプキンス海洋研究所が共同管理してい る研究プログラムによると、体長は大きいもので3メートルにも達し、 1年4カ月で4万5000マイルを旅する。研究グループは今年、セシウム の汚染度合いの変化を見るために別のクロマグロの調査を実施する予 定。

東京電力が先週発表したところによると、福島第一原発から昨年3 月26日-9月30日に海洋に流出した放射能は、セシウム134が約3500テ ラベクレル、セシウム137が約3600テラベクレル。

原発事故前は、セシウム134は検出されず、過去の核実験の影響で セシウム137がわずかに検出される程度だった。

研究の共同執筆者であるスタンフォード大ホプキンス海洋研究所の 研究者、マディガン氏は電子メールで、マグロの放射能が高くなる可能 性は低いとしながらも「日本近海の小さい魚の中には事故後、放射能の 汚染度が非常に高かったものもある。大きな魚がたまたま、この魚を食 べた場合、今回検出したものより高い数字が出る可能性がある」と述べ た。

原題:Fukushima Radiation Found in Bluefin Tuna Expected to Decline(抜粋)

--取材協力:Kanoko Matsuyama.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE