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債券は上昇、スペイン懸念や年限長期化の買い-2年債入札はやり直し

債券相場は上昇。スペインで財政 悪化懸念を背景に国債利回りが上昇したことで、世界的なリスク回避 の動きが強まり、比較的安全な日本国債に買いが入った。投資家が保 有債券の年限を長期化させる買いを入れたことも相場を押し上げた。 きょうの2年債入札は事務作業ミスで午後に異例のやり直しとなった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「スペインの銀 行問題などを受けてリスクオフ(回避)の地合いが継続している。こ こ数カ月の大きな流れは変わっておらず、金利は低下しやすい環境。 月末の保有債券の年限長期化の動きもあり、長いゾーンに買いが入っ ている」と述べた。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比10銭高の143円23 銭で取引を開始。午後に入ると一段高となり、一時は18日以来の高値 となる143円43銭まで上昇し、結局は28銭高の143円41銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の322回債利回り は前日比1.5ベーシスポイント(bp)低い0.86%で始まり、その後も 徐々に水準を切り下げ、午後1時半前後には2.5bp低い0.85%と、3 営業日ぶり低水準を付けた。

5年物の104回債利回りは1.5bp低い0.215%に低下。新発5年 債利回りとして、18日に付けた2010年10月以来の低水準に並んだ。 20年物の136回債利回りは3bp低い1.65%に低下。30年物36回債利 回りは4bp低い1.80%まで下げた。みずほ証券の早乙女輝美債券スト ラテジストは、「スペインの財政問題が出てきたので、先週に調整した 分を取り戻す形で、長期債や超長期債を中心に堅調」と述べた。

28日の欧州債市場ではスペイン10年債相場が下落。同年限のド イツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は拡大し、ユーロ導 入以来の最大となった。スペインの銀行に追加金融支援が必要になる との懸念が高まっている。同国銀行のバンキアの株価は13%急落。

2年債の再入札、倍率05年以来の高水準

財務省はきょう午前に実施した2年利付国債(6月発行、317回 債)の入札について、事務作業ミスが発生して結果を公表できなかっ たことを受けて、午後に入札をやり直した。

午後3時15分に発表された入札結果によると、最低落札価格は 100円00銭と、午前に調査した市場予想の99円99銭5厘を上回った。 小さければ好調とされるテールはゼロとなり、前回の5厘から縮小。 投資家の需要の強さを示す応札倍率は9.79倍と、2005年6月以来の 高水準となった。

BNPパリバ証券の藤木智久グローバルマーケットストラテジス トは「どたばたしたが、再入札の結果は非常に強かった。最低落札利 回りが0.1%で強い結果。日銀による追加緩和措置がなければ低下余 地が見込めない下限の0.1%でも買いが入り、強い需要を示している。 キャッシュの投資先という位置付けなのだろう」と指摘。また、みず ほ証券の河上淳マーケットエコノミストコメントは「事務トラブルで 遅れが出たが、入札は特に波乱もなく、しっかりした結果で終わった」 と話した。

一方、入札の債券相場への影響は限定的だった。ドイツ証の山下 氏は「あまり相場全体には関係ないと思う」と話した。バークレイズ 証券の丹治倫敦債券ストラテジストは、「予想範囲内の結果だがテール がゼロで、やはり安いところでは買えない感じ。2年債はやり直しの 間に相場が大きく動くこともなく、影響は特になかった」と述べた。

その上で、丹治氏は、「やり直しがなくても同じ結果だったのでは ないか。応札が膨らんだのは、やり直しなどで普段より流れる可能性 を期待した部分もあったかもしれない」との見方を示した。

日本相互証券によると、きょう入札された2年物の317回債利回 りは業者間市場では0.10%で開始し、その後も同水準で推移している。

--取材協力:石川茉莉子、船曳三郎 Editors:山中英典、青木勝

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