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ユーロ反発、ギリシャのユーロ離脱懸念緩和で買戻し-ドルは売り優勢

東京外国為替市場ではユーロが対ド ルで反発。週末発表されたギリシャの世論調査で同国向け支援合意を支 持する政党の優勢が示され、ギリシャがユーロ離脱に追い込まれるとの 懸念が和らいだ。

ユーロ・ドル相場は前週末に一時、1ユーロ=1.2500ドルを割り込 み、10年7月6日以来の水準となる1.2496ドルまでユーロ安が進んだ が、週明けの取引では一時1.2625ドルと3営業日ぶりの水準までユーロ 買いが進行。ユーロ・円相場も早朝に1ユーロ=100円台を回復し、一 時100円26銭を付けた。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、「ギリシ ャの再選挙までまだ半月以上あり、かつスペインの地方自治体の資金繰 りの話も出ており、まったく安心できる状況ではない」と指摘。ただ、 ユーロの売りポジションも過去最高を更新し続けている状況で、「ここ を逃すとまたなかなかユーロを買い戻すタイミングがなくなってしま う」と語った。

一方、全般的にドル売りが優勢な中、ドル・円相場は早朝に1ドル =79円73銭を付けた後、79円34銭までドルが軟化。ジェルベズ氏は「ド ル・円はドル・ストレート(他通貨の対ドル相場)やクロス円(ドル以 外の通貨の対円相場)の都合で動いており、ほとんど主体的なものでは ない」と説明した。

支援合意支持派が首位

ギリシャで6月17日に実施される再選挙を控えて、26日公表された 6つの世論調査では、同国向けの支援合意を支持する新民主主義党 (ND)の支持率が金融支援の実施に反対する急進左派連合 (SYRIZA)を抑えて首位になった。

IGマーケッツ証券の為替担当アナリスト、石川順一氏は、ギリシ ャのユーロ離脱による「国債の焦げ付きと、企業に対する倒産リスクが フランスを中心とした欧州金融機関に飛び火するという連鎖」を市場は 今一番恐れているとし、「反緊縮派が勢いを失速する兆候が見られれば 今までたまっていたユーロショート(売り持ち)のカバーが入ってもお かしくない」と語った。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)で、5月22日時点のユーロ の売り越し幅が19万5361枚に拡大し、1999年1月のユーロ導入以来の最 大を更新した。

一方、みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミ スト、唐鎌大輔氏は「今ユーロが買われている理由は売られ過ぎたから という理由しかない」とし、「ギリシャの再選挙がどうなろうと、日米 欧の今年の経済見通しを見ただけでもユーロが一番弱い状況だ」と語っ た。

スペイン不安

スペインのカタルーニャ州政府のアルトゥール・マス知事は先週 末、中央政府に対して州政府の資金調達市場へのアクセスを支援するこ とを重ねて要請した。

一方、スペイン政府が今月初めに国有化した同国銀行3位のバンキ ア・グループは25日、不動産融資とそれ以外の融資の引当金を準備する ため、190億ユーロ(約1兆9000億円)の公的資金による追加支援を申請 すると発表した。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、スペインでは銀行の 格下げや地方政府が支援要請するなどの問題が浮上してきているが、ギ リシャと比べてスペインの経済規模は大分違うため、セーフティネット (安全網)見直しなどの影響が生じかねないと指摘。「ユーロを積極的 に買って行ける状況というのはまだ先」と話した。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は25日、 バンキアのほか、スペインのポプラール・エスパニョール銀行、バンク インターの信用格付けをジャンク級(投機的水準)に引き下げたことを 発表した。

スペイン政府は銀行システムのバランスシート整理などのため、バ ンキア・グループへの190億ユーロの追加支援に加えて、さらに300億ユ ーロが必要になる可能性がある。同国紙ムンド氏が複数の政府関係者の 情報として伝えた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル・インデックスは一時81.835と3営業日ぶりの水準まで低下。リスク 回避の動きから同指数は今月入り以降、上昇基調が続いており、前週末 に一時82.461と2010年9月以来の高水準を付けていた。

--取材協力:油井望奈美、三浦和美. Editors: 持田譲二, 山中英典

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