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枝野氏:東電が人員全面撤退の意向、昨年3月の福島原発

枝野幸男経済産業相は27日午後、国 会が設置した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会で、東電の清水 正孝社長(当時)が昨年3月11日の事故発生後、同原発の人員を全面撤 退させる意向を政府側に伝えていたことを明らかにした。

事故当時に官房長官だった枝野氏は国会事故調で、「社長から電話 があり、全面撤退の趣旨の話があった」と述べるとともに、「部分的に 残すという趣旨ではなかった」と語った。枝野氏は「そんなことをした ら大変なことになると言ったら口ごもっていたので、全面撤退と受け止 めた」と説明した。

東電広報担当の横倉理氏は27日、ブルームバーグ・ニュースの電話 取材に対し、福島第一原発から全員を撤退させようとした事実はないと コメントした。東電は3月1日、「全面撤退を申し出たことはない」と 公表し、政府側の見解と真っ向から対立している。国会事故調は28日午 後2時から菅直人前首相への聴取を行う。

一方、枝野氏は、政府として炉心溶融(メルトダウン)などの事実 公表が遅れたとの指摘に対して、「『隠したり遅れたりしたら結果に影 響しなくても大きな問題になるから、すぐ出せ』と東電にも言ってい た」と語り、「遅らせたということはない」と述べた。

このほか枝野氏は、菅氏が事故発生の翌12日朝に現地を視察したこ とに関して、「政治的には、行ったことが客観的に正しかったとして も、『首相がそんなところに出かけて行って』という日本的なリーダー シップ論や、『首相が行ったら邪魔になったのではないか』という中傷 的、感情的な政治的批判は免れない」と指摘。「そういう観点から、と てもお勧めできない、という趣旨のことを首相に進言した」と説明し た。

枝野氏は「首相ご自身が『自分で行く』とおっしゃった」と説明。 菅首相が現地視察と事故対応のどちらが大事なのか、という趣旨の発言 をしたことを紹介した上で、「政治的リスクを分かった上で対応される ならば、もちろん行くことのマイナスもあるだろうが、行くことのプラ スもあったので、そこは首相の判断だ」と語った。

福島第一原発からの全面撤退の申し出の有無をめぐり、海江田万里 経済産業相(当時)は5月17日、国会事故調の聴取で、東電が同原発の 人員を全面的に撤退させる意向だったと解釈したことを明らかにしたと 共同通信は報じている。

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