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米国債:上昇、スペイン財政難で欧州債務危機が深刻化

米国債相場は上昇。スペインの地方 政府が資金繰り難に陥っているとの報道を受け、欧州債務危機が悪化す るとの懸念が広がり、米国債の需要が高まった。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペイ ンの銀行の格付けを引き下げた後も、10年債利回りは低水準で推移し た。米国債はこのまま月末を迎えれば月間ベースで2カ月連続の上昇と なる。スペインのカタルーニャ州政府のアルトゥール・マス知事は25 日、中央政府に対して支援を重ねて要請した。一方サエンスデサンタマ リア副首相は、市場へのアクセスを回復できるよう支援を求める地方政 府の要請を慎重に検討していると述べた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は「スペインの政府介入拡大に関する報道を受けて市場に緊張が 走った」と指摘。「市場参加者は欧州について神経質になっている」と 述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後2時1分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)下落の1.74%。同年債(表面利率1.75%、2022 年5月償還)価格は11/32上昇して100 3/32。利回りは今週に入り2b p上昇と、3月16日終了週以来の上昇となった。

米証券業金融市場協会(SIFMA)の勧告により、25日は午後2 時までの短縮取引。28日はメモリアルデーの祝日で休場となる。

ギリシャ離脱観測

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 今月に入り24日までの米国債リターンは1%。比較的安全とされる米国 債の需要の高まりを反映している。4月のリターンは1.5%だった。

ギリシャのユーロ圏離脱の可能性をめぐる懸念などを背景に、5月 に入り3週間で世界の株式市場からは時価総額で4兆ドル以上が失われ た。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、 アイラ・ジ ャージー氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャを発端とする悪材料が出 るのではないかとの不安がある」とし、「質への逃避で買いが入ってい る」と解説した。

米国債の店頭オプション価格を基にしたボラティリティの指数であ るBOAメリルリンチのMOVE指数は、24日に前日からほぼ変わらず の73.1bpと、年間平均の87.8bpを下回った。

売買高が増加

インターディーラー・ブローカー最大手ICAPによると、前日の 売買高は約2930億ドルに増加。年初来平均の2420億ドルを上回った。3 月14日には4390億ドルと、昨年8月以来の高水準を付けていた。

今週3回行われた総額990億ドル相当の入札で、最終日の24日に実 施された7年債入札は最高落札利回りが1.203%と過去最低を付け た。23日実施された5年債入札(発行額350億ドル)も最高落札利回り は0.748%と過去最低。22日の2年債入札(発行額350億ドル)の最高落 札利回りは0.3%だった。

5月17日に実施した130億ドル相当の10年物インフレ連動債 (TIPS)と今週の入札を合わせた資金調達額は529億ドル。一方、 流通市場で償還期限を迎える国債の総額は591億ドル。

償還までの消費者物価の予測値を示す10年債利回りと同年物 TIPSの利回り格差は2.14ポイントと、過去10年間の平均である2.15 ポイントに近い水準にある。

原題:Treasuries Gain as Spanish Finances Add to European Debt Concern(抜粋)

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