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生保8グループ:前期は震災後の特殊要因で大幅増益-今期は減益予想

国内生保8グループの2012年3月 期決算は増収増益となった。逆ざやの改善や東日本大震災に関連した保 険金支払いに備え前の期に積み立てた準備金取り崩しなどが増益要因 となった。今期はこうした特殊要因が剥落する中、人口減少や低金利、 株安など厳しい環境が続くとみて減益を見込んでいる。

25日までに各社が発表した。8社合計の保険料等収入は前の期比

7.3%増の20兆4200億円。保険本業の収益を示す基礎利益は17%増の 1兆8400億円だった。ただ、最終利益については、法人税率の引き下 げに伴う繰り延べ税金資産の取り崩しなどが影響し、3.8%減の6014億 円となった。

日本生命保険の松山保臣専務は前期決算について、「数字上は増収 増益になったが、大震災の支払いが見積より少なかった影響を除くと実 質減益の厳しい内容だった」と振り返った。一方、その要因が前期の基 礎利益を100億円押し上げたという明治安田生命保険の殿岡裕章専務は 「それを除いても増益」だったとしている。

契約者に約束した予定利率を実際の資産運用利回りが下回る逆ざ やは6社で生じているが、明治安田が前期で解消、日本生命は2期連続 の純ざやだった。8社合計の逆ざや額は12.8%減の2720億円と改善し た。住友生命保険の橋本雅博専務は「保有株削減や超長期債の積み増し などで市場の影響を受けにくい財務体質になっている」と述べた。

支払い余力、全社で改善

有価証券の評価損は、合計で59%減の1760億円、有価証券の売却 損は11%減の5760億円と改善した。基礎利益から評価損などを差し引 いた経常損益は65%増の1兆5400億円となった。有価証券の含み益は 71%増の6兆9000億円と、全社が含み益となった。

前期から適用された新健全性基準のソルベンシー・マージン(保険 金支払い余力)比率は全社で改善した。朝日生命は13年3月までに返 済期限を迎える基金1310億円の返済を1年先送りし、内部留保716億 円を積み増した。同社の初瀬良治常務によると、これにより同比率は75 ポイント程度の引き上げ効果があるという。

日本生命は今年度に500億円の基金募集を検討している。松山専務 は「2014年度末までに自己資本を3兆円に回復させることを目標として 取り組んでいきたい」と述べた。

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     保険料等収入 有価証券売却損  有価証券評価損    基礎利益
     億円    %     億円    %     億円    %      億円   %
==============================================================
日本 53683(  9.6)   1541( -39.1)    294( -79.1)   5443(  5.4)
第一 35396(  6.9)   1807(  49.4)    447( -75.1)   3200( 17.0)
明安 51841( 31.4)    669( -48.6)    184( -13.5)   3710( 19.5)
住友 25943(-13.6)    484( -16.0)    671(  35.3)   3318( 25.1)
T&D  16912( 14.7)    552(  91.6)     46( -74.7)   1449( 34.5)
三井  5826(-11.3)    304( 237.4)     24( -72.5)    300(131.5)
朝日  5057( -4.9)    142( -50.6)      4( -91.9)    286( 37.9)
富国  9510(-21.5)    264(  28.7)     92(  55.7)    731(  5.9)
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    利差損益        支払い余力   有価証券含み損益  含みゼロ水準
    12/3  11/3     12/3    11/3      12/3   11/3    日経 ドル
    億円  実績      %     実績      億円   実績    平均  /円
==============================================================
日本   316(  282)   567.0 ( 529.1)  +27042(+19146)   8300   70
第一  -914( -903)   563.2 ( 547.7)  +12156( +6141)   8400   84
明安   192(  -10)   749.6 ( 663.6)  +15097(+10176)   7200   81
住友  -669( -746)   708.6 ( 636.5)   +7369( +1906)   9500   --
T&D   -202( -293)   810.6 ( -----)   +3864(  2147)   -----  --
三井  -562( -559)   486.7 ( 425.8)   +1375(  +620)   9500   87
朝日  -837( -826)   426.6 ( 361.2)     +56(  -136)  11200   --
富国   -48(  -63)   763.4 ( 668.4)   +1991(  +421)   8700   81
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※単体、カッコ内は2011年3月期との比較(%)。ただし第一生命、T
&D、富国生命の保険料等収入、有価証券売却損、有価証券評価損、支
払い余力は連結値または傘下生保の合算値(第一生命と富国生命の11
年3月期支払余力は単体)
※利差損益の「+」は順ざや「-」は逆ざやカッコ内は11年3月期実績
※有価証券含み損益の「+」は含み益「-」は含み損、カッコ内は11年
3月期実績

--取材協力 河元伸吾 Editors:Kazu Hirano Takeshi Awaji

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