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JPモルガン、リスク監督取締役3人は博物館館長らの素人

米銀JPモルガン・チェースのリス ク監督担当取締役は、博物館館長で保険会社アメリカン・インターナシ ョナル・グループ(AIG)の統治委員会に2008年に所属していた人物 と資産家の孫、飛行機操縦装置や作業ブーツを生産する会社の最高経営 責任者(CEO)の3人だ。

米銀最大手JPモルガンのリスク監督委員会に欠けていて、2位以 下の5行には存在するのは、銀行での勤務や金融リスク管理者としての 経験を持つ取締役だ。JPモルガンのリスク監督委員会でウォール街の 経験を持つのはジェームズ・クラウン氏だけだが、金融業界で働いてい たのは25年以上も前の話だ。

スタンフォード大学でコーポレート・ガバナンス(企業統治)を教 えるアナト・アドマティ教授は「これで十分だと考えることは難しいだ ろう」と述べ、「JPモルガンのリスクを監視することは膨大な仕事 だ」と指摘した。

JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOが今月10日にチーフ・ インベストメント・オフィス(CIO)部門でクレジット・デリバティ ブ絡みで20億ドルのトレーディング損失を計上したを発表して以来、同 行をめぐる批判は強まっている。同CEOはその後「リスクの基礎的な ミス」だと呼んだ。同行の株価はそれ以来17%下落しており、米司法省 や証券取引委員会(SEC)など少なくとも6機関が調査している。

調査が始まったのは、同行の余剰資金を管理していたロンドン事務 所トレーダーが流動性の低いクレジット・デリバティブで誤った方向に 賭け、一部が非常に大きなポジションに膨らみ市場価格をゆがめたこと が発端。ダイモンCEOはCIO部門をイナ・ドルー氏の下で、安全性 の高い米国債取引中心の部門から非標準型デリバティブ投資に意欲的な 部門に転換させていた。

クラウン氏のほかエレン・ファッター氏とデービッド・コート氏が JPモルガンのリスク監督担当取締役を務めている。クラウン氏(58) はシカゴに本拠を置くヘンリー・クラウン社の社長で、防衛機器大手ゼ ネラル・ダイナミクスの筆頭取締役。祖父はホテルや鉄道事業で財をな した資産家。ファッター氏(62)はアメリカ自然史博物館の館長で、 AIGのコンプライアンス・統治委員会に所属していたが、同社が米政 府の救済を受ける前の2008年7月に辞任していた。コート氏(59)は航 空機部品などを製造するハネウェル・インターナショナルのCEOを務 めている。

4月4日の委任状説明書によると、リスク監督委員会は昨年7回の 会合を開いた。委員会の構成は2008年以降変更がない。同委員会は同行 のリスク選好度の高い方針を承認し、最高リスク責任者を監督してい る。

6大米銀の中でリスク監督委員会にバンカーや規制当局者、金融学 教授の経験者がいないのはJPモルガンだけだ。

原題:JPMorgan Gave Risk Oversight to Museum Head Who Sat on AIG Board(抜粋)

--取材協力:Donal Griffin、Christine Harper、Michael J. Moore、Dakin Campbell、Thomas Black、Miles Weiss.

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