ユーロが10年7月来安値圏、域内景気懸念で-ドルは79円後半

東京外国為替市場では、ユーロ・ド ル相場が1ユーロ=1.25ドル台前半を中心に、2010年7月以来の安値圏 で上値の重い展開が続いた。ユーロ圏の債務問題が長期化する中、域内 景気の先行き不安が強まっており、ユーロ売り圧力がかかった。

みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、6月のギリシ ャ再選挙まではこう着状態だが、「少なくともユーロ離脱の可能性が払 拭(ふっしょく)できない中で、やはり、積極的にユーロを買っていく ような状況にはなりにくい」と指摘。ただ、ユーロの売り持ち高が積み 上がっている状況下で、何らかのきっかけで、ポジションの巻き戻しに 伴う一時的なユーロの反発局面もあり得るとも言う。

ユーロは前日の取引で一時1.2516ドルと、10年7月6日以来の安値 を付けた。その後、海外市場で1.2620ドルまで値を戻したものの、この 日の東京市場では1.2553ドルを上値に1.2519ドルまで下落。午後3時45 分現在は1.2550ドル付近で取引されている。

一方、ドル・円相場は海外市場で一時1ドル=79円34銭までドル 安・円高が進んだ後は、ドルが下げ渋り。79円台半ばで日本時間朝の取 引を迎え、朝方に発表された日本の消費者物価指数(CPI)が一部弱 含みとなったことで、やや円に売り圧力がかかり、午後には79円82銭ま で円安が進行。午後3時45分現在は79円67銭付近で取引されている。

4月の全国コアCPIは前年同月比0.2%上昇と、市場予想の0.1% 上昇を上回ったものの、5月の東京都区部は0.8%低下と、予想の0.5% 低下を上回るマイナスとなった。武内氏は、同統計が大きく相場を動か すような材料にはなっていないとしながらも、「緩和期待を生み出して いくというのは確か」と指摘。一定の「円高への歯止め」につながって いるとしている。

ユーロ・円相場は前日に一時1ユーロ=99円37銭と、2月1日以来 の水準までユーロ安・円高が進行。海外市場で100円27銭まで値を戻し たあと、東京市場では再び99円台後半に水準を切り下げて推移していた が、100円06銭まで円安に振れる場面も見られた。

独景況感が予想以上の低下

ドイツのIfo経済研究所が24日に発表した5月の企業景況感指数 は106.9と、前月の109.9から低下。下げ幅は昨年8月以来で最大とな り、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想109.4も下回った。 また、マークイット・エコノミクスが発表した5月のユーロ圏総合景気 指数(速報値)も45.9と、前月の46.7から低下している。

三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチの亀 井純野シニアアナリストは、欧州情勢の不透明感は依然高い上、欧州の 景気減速もあらためて意識されており、「引き続き中長期的にユーロは 下方向で見ているというのは変わらない」としている。

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、オーストリア中央銀 行のノボトニー総裁は24日、記者団に対し、ギリシャのユーロ圏離脱は 「極めて大きなひずみ」につながるとの認識を示した。

半面、イタリアのモンティ首相は伊テレビ局「La7」とのインタ ビューで、「欧州は程なく共同債を持つことが可能だ」と指摘。ドイツ にとってはどの国もユーロ圏を離脱しないよう確実にすることが利益で あり、ギリシャでは「何でも起こり得る」が、引き続きユーロ圏にとど まるだろうと述べている。

これを受けて前日の米株式相場は、中国の景気減速懸念を背景とし た下落分を埋める格好となり、ダウ工業株30種平均が3営業日ぶりに反 発して取引を終了している。

--取材協力:小宮弘子  Editors: 青木 勝, 持田譲二

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