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一時的な猛暑が列島を襲う可能性-気温1度で原発2基分

全原発停止で今夏に全国で電力需給 がひっ迫することが予想されているが、一時的な猛暑に襲われる可能性 も浮上しており、供給不足への懸念は一層強まっている。

日本気象協会の下山紀夫気象予報士によると、今夏は2010年の記録 的な猛暑の一因となったラニーニャの発生はなく「平均的に見ると平年 並み」の気温になりそうだという。しかし「ここ数年は、いままで感じ ていた状態とはかけ離れた天候の大きな変動を感じている」と述べ、一 時的に大きく気温が上昇する可能性があると指摘した。変化の激しい天 候の原因として疑われているのが地球温暖化だという。

07年に埼玉県熊谷市などで国内観測史上最高の40.9度を記録。下山 氏は今年は一時的にこれを超える可能性はあると話す。具体的には「1 週間ぐらいの単位で気温が上がっていって、場合によっては局地的に最 高気温のところが出るイメージ」だという。

気象庁が24日に発表した3カ月予報によると、6-8月の気温は電 力の不足が予測されている西日本で平年並みか高め、東日本と北日本で は平年並みとなる見通し。

北海道大学地球科学研究院の山崎孝治教授は、現在は太平洋の熱帯 域でラニーニャが終わりエルニーニョが始まるかどうかという状況だと 指摘する。エルニーニョやラニーニャといった海水温の変化は気象への 影響が最も大きいと考えられているが、山崎氏は「急激にエルニーニョ が発展することはなさそうだ」とし、極端に平均気温が高くなることは ないと予想している。

関電管内で14.9%の電力不足

閣僚らで構成される政府のエネルギー・環境会議は、10年夏と同様 の猛暑となった場合に今夏に関西電力管内で14.9%、九州電力で2.2% の電力不足が発生すると予想。西日本全体でも2.8%の需給ギャップを 想定した。そのため、西日本の電力会社を中心に最大で一昨年比15%の 節電目標が導入された。

急激な気温上昇で今夏最も影響が懸念されるのが電力需給への影 響。東京電力広報担当の岡崎太一氏によると、節電が行われていた昨年 夏、気温が1度上がるごとに同社管内では需要は148万キロワット増え た。同社は今夏も同じ水準の需要変動を想定しているという。

148万キロワットの需要変動は、福島第一原発2・3号機を合わせ た出力(156万8000キロワット)や柏崎刈羽原発6号機(135万6000キロ ワット)に近い。再稼働がいつになるのかが大きな焦点となっている原 発だが、1度の気温変動で東電管内だけで原発1、2基分の需要が跳ね 上がる計算になる。

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