日本勢のLNG関連資産の買収急加速-高まる依存度に不安

液化天然ガス(LNG)の供給確保 という課題を背負い、日本企業は世界中でガス田権益や関連資産の取得 を急激に増やしている。日本は世界の10大エネルギー消費国の中でも最 も速いペースで、原油や石炭と比べて環境負荷の低いLNGへの転換を 進めている。

三菱商事は今年に入って4カ国で天然ガス関連の資産を購入してお り、ガス田開発に300億ドル(約2兆3800億円)以上を投入する方針を 固めている。昨年3月の東京電力・福島第一原子力発電所の炉心溶融事 故後、国内全50基の原発が運転を停止。代替発電燃料であるLNGの需 要が一気に高まった。

発電燃料に占めるLNGの割合は50%に近づいており、依存度は他 の主要な消費国に比べ最も高い。今後、価格が上昇すれば電力会社の発 電コストが上がる可能性はあるが、権益や関連資産の取得を積極化させ ることで、国内のみならず海外でも需要増が期待されるLNGの取引で 大きな収益を上げることができる。

ネクスト・キャピタル・パートナーズ(東京)の創業者、ケン・カ ーティス会長は「日本の大手商社はLNGの供給をしっかり確保しよう としている」とし、欧州債務危機の痛手が少ない邦銀があることから 「現在、世界の中で日本ほど大型プロジェクトに取り組める国はない」 と指摘した。

三菱商、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、双日といった国 内6商社は3月31日現在で620億ドルの現金を保有。三菱商事が抱える 現金は1995年以降で最も高い水準にあり、三井物産も少なくとも過去20 年間で最高水準に近い資金を抱えている。

ガスの時代

レコフによると、三菱商など大手商社は昨年12月以降、原油やガス 関連のM&Aで6520億円を投入。すでに昨年1年間全体の額に迫る勢い だ。

政府は今夏に新たなエネルギー基本計画を発表する予定だ。原発、 火力、水力発電などそれぞれの電源の将来像をどう計画上で示すのかに ついて注目が高まっている。

経済産業省の資料によると、国内電力各社は10年以内にLNGを燃 料とした発電設備を計2400万キロワット(40%)増やすことを計画して いる。供給の増加に備えるため、現在は28カ所あるLNGタンカーを受 け入れる輸入基地の数は同期間に10カ所追加される。

国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、エネルギー消費 上位10カ国の中で、日本のLNG依存度は最も高くなることが見込まれ ている。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)石油調査部 の坂本茂樹氏は、火力発電用燃料でLNGへの依存度が5割を超えるよ うな事態はリスクがあるとし、「売り手から足元を見られる」ことを避 けるために石炭など他の燃料とバランスを取るべきだとの考えを示し た。

CLSAアジア・パシフィック・マーケッツによると、すでに LNGが発電燃料に占める割合約50%に達している。同社のペン・バウ アーズ氏は電話で「この水準を長く維持するのは非常に難しい。しか し、原発が再稼働しないと致し方ないのかもしれない」と述べた。

原題:Japan Gas Binge Ties Third-Biggest Economy to One Fuel: Energy(抜粋)

--取材協力:Stuart Biggs、James Paton、淡路毅. Editors: 淡路毅, 平野和

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