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JPモルガンの損失とMFグローバル破綻、ロビー活動裏目に

米MFグローバル・ホールディング スは2010年12月、規制当局宛ての書簡で先物ブローカーは顧客資金の投 資について規制強化を必要としていないと主張していた。その約10カ月 後、MFグローバルは連邦破産法11条の適用による会社更生を申請し、 顧客の口座資金約16億ドル(現在のレートで約1300億円)相当の行方が 分からなくなった。

それから数週間以内に米国のデリバティブ(金融派生商品)規制当 局は、企業による顧客資金を利用した取引を制限する「MFルール」と 呼ばれる規則を承認した。08年の金融危機後、ロビー団体が新規制案の 先延ばしや変更を求める中、このルールは棚上げされていた。

MFグローバルのケースに加えJPモルガン・チェースによる最近 の20億ドルに上る損失計上は、ワシントンのロビイストが一団となり米 国の規則や規制の緩和や先送りに成功し得ることを浮き彫りにした。そ れは投資家や預金者の損失につながり、余波は経済全体にも及んでい る。ロビイストらの行動は、これらの人々を採用した企業にとっても裏 目に出る可能性がある。

政府の情報開示を求めるワシントンの団体サンライト財団のコンサ ルタント、ナンシー・ワッツマン氏は「これは、業界が、ワシントンの 厄介な官僚より事情をよく把握していると主張する典型的な例だ」と指 摘する。

サンライト財団はMFグローバル幹部が米商品先物取引委員会 (CFTC)職員と開いた金融改革に関する9回の会合を記録してい る。会合では短期市場金利連動型投資信託やさまざまな口座情報の集計 に関する規定などのテーマに重点が置かれていたという。

「恥ずべき結果」

ワッツマン氏は「記録に残っている企業は、恥ずべき結果につなが ることになる自社のケースについて弁解していた」と語る。

JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は 損失が発覚する前、10年に制定された米金融規制改革法(ドッド・フラ ンク法)に基づく規制の緩和を訴え、同法を「ドッド・フランケンシュ タイン」と呼んでいた。規制当局の取り組みに対する同CEOによる批 判は自らを苦しめることになるかもしれない。ワシントンの議員らは20 億ドルの損失について、規制強化が必要な証拠だと指摘している。

米連邦準備制度理事会(FRB)のポール・ボルカー元議長は9日 の上院公聴会終了後、記者団に対し、298ページに及んだ当初のドッ ド・フランク法案の複雑さが増し、多くの規則が先送りされた一因が銀 行業界のロビー活動にあることは「疑問の余地がない」と語った。MF グローバルとJPモルガンのケースは共に、この発言が示唆する格好の 例と言える。

ボルカー氏はこの時、「ロビイストが事態を複雑にしている例なら 一日中でも挙げ続けることができるだろう。彼らは全体のプロセスを混 乱させるためにそうしている可能性があるからだ」と述べた。

原題:JPMorgan Joins MF Global in Lobbying Wins That Backfire (1)(抜粋)

--取材協力:Mark Drajem.

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