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EU首脳:ユーロ共同債で対立-ギリシャには緊縮継続求める

欧州連合(EU)首脳は23日ブリュ ッセルで開いた緊急会議で、ユーロ共同債構想をめぐって激しく対立し た。ギリシャに対しては、ユーロ圏残留の条件である財政緊縮を継続す るよう求めた。リセッション(景気後退)に苦しむスペインに関しては 緊急救済策を見送った。

欧州危機が始まって2年余りの間で18回目となる首脳会議では、ド イツ主導の緊縮財政を通じた危機対策に対し、フランスのオランド大統 領が異を唱えた。ドイツが進めてきた対策はユーロ圏の安定化につなが らず、ギリシャのユーロ離脱懸念をもたらしている。

ルクセンブルクのユンケル首相は、6時間にわたった首脳会議が終 了した24日未明、記者団に対し、首脳会議でユーロ共同債発行の可能性 に関する議論が「盛り上がらなかったわけではない」とした上で、ユー ロ共同債に対しては「特にドイツ語圏の国からあまり支持が得られなか ったが、フランス語圏地域からは一定の熱心な支持があった」と述べ た。

日本時間午前10時15分現在、S&P500種指数先物は0.2%安。独仏 の対立で解決策を見いだすのが一段と難しくなるとの懸念から、23日の 為替市場ではユーロがドルに対し1年10カ月ぶりの低水準に下落。欧州 株もこの1カ月で最大の下げとなった。投資家が資金を安全な投資先に 避難させたことから、ドイツの5、10、30年債の利回りはいずれも過去 最低水準を付けた。

次回首脳会議

EU首脳らは、6月28、29両日の次回首脳会議までにユーロ圏の統 合強化に向けた概念の「基本的枠組み」策定をファンロンパイEU大統 領に委ねた。次回サミットに先立ち、ギリシャのユーロ離脱につながり 得る同国の再選挙が17日に実施される。

今年のEU機構見直しは、2つの欧州救済基金の設置や、競争力向 上のためのユーロプラス協定、経済政策協調のための欧州セメスターな どの施策に続くものとなる。

ファンロンパイ大統領は、今回の首脳会議では「銀行の監視強化と 整理の構想は言及されただけで、実際の議論は行われなかった」と述べ た。

同会議では、ユーロ共同債に批判が集中。ドイツやフィンランドな ど最上級格付け国は、同債により自国の利払いが増える上に、高債務国 が今後も歳出を続ける誘因となると主張している。

メルケル首相は共同債構想を受け入れることは「極めて困難だ」と 指摘した。一方、オランド大統領は共同債への支持を表明、独仏首脳が 危機対応で一枚岩でなくなったことが鮮明になった。

「一人ではない」

オランド大統領は、共同債に対し「全く敵対視する国や将来は可能 だとみる国があり、中にはずっと早期の導入を考える国もあった」とし た上で、「私は一人ではない」と語った。

首脳らはギリシャ向け声明で、「われわれは同国が公約を尊重し、 ユーロ圏にとどまることを望む」とした上で、「再選挙後に発足する新 政権がこうした選択をすると期待する」と表明した。

今回の首脳会議の議論は成長促進策に重点が置かれ、ギリシャ問題 は会議の最後に取り上げられた。当局者1人によると、スペインの問題 は論じられなかった。

ラホイ首相の訴え

スペインのラホイ首相は首脳会議終了後に、ドイツなどの反対に直 面しお蔵入りとなった欧州中央銀行(ECB)による債券購入プログラ ムの再開を訴えた。ECBは危機で大きな打撃を受けた国の国債利回り 抑制のため、2120億ユーロ(約21兆2000億円)を投じて債券を購入して きた。

同首相は「ECBが過去に下したことがあるこの決定を行うかどう かはECB次第だ」と発言。「この問題は現在、非常に重要であり、 EUの将来設計よりはるかに重大だ」と指摘した。

ドラギECB総裁は、会議中にラホイ首相からこうした訴えがあっ たかとの質問に対し、「訴えはなかった。流動性を他の供給源から提供 することも可能だ」と述べた。

原題:European Chiefs Clash on Euro Bonds as Crisis Summit Bogs Down(抜粋)

--取材協力:Rebecca Christie、Jonathan Stearns、Gabi Thesing、Angeline Benoit、Chiara Vasarri、Gregory Viscusi.

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