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日銀総裁:強力に緩和推進する姿勢「全く変わっていない」-会見

日本銀行の白川方明総裁は23日午 後、定例記者会見で「日銀が強力に緩和を推進していく姿勢は全く変わ っていない」と述べた。日銀は同日開いた金融政策決定会合で全員一致 で政策の現状維持を決定。会合後に発表した声明から「強力に金融緩和 を推進していく」との文言が抜け落ちたことから、金融緩和の姿勢が後 退したのではないかとの見方が出ていた。

日銀は同日公表した声明で、資産買い入れ等基金の10兆円の増額な どを決めた2月14日の会合以降、公表文で継続して使ってきた「強力な 金融緩和を推進していく」との文言を「引き続き適切な政策運営に努め ていく」に変更した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊・債券ストラテジ ストは会合後に公表したリポートで「『強力な金融緩和』を『適切な政 策運営』に変更した日銀は、政府や市場の際限なき追加緩和期待を鎮火 したいのだろう」と指摘した。

白川総裁は声明の文言が変わったことについて「日銀の政策スタン スは、4月の展望リポート発表後の公表文に書いた通り、強力な金融緩 和を推進していくということで全く変わっていない」と言明。「毎回こ の文章を書くのもどうかなということで、今回は『適切な』という言葉 で表現したが、もし『強力』ということについてご疑念があれば、そこ はまったく変わっていない」と強調した。

付利引き下げと年限延長の思惑

日銀が16日実施した資産買い入れ等基金における残存2年以下の国 債買い入れオペで、応札額が予定額を下回る札割れが初めて発生。18日 の長期国債買い入れ(輪番オペ、残存1年以下)でも2006年2月22日以 来の札割れが発生した。前月27日の会合で同基金の買い入れ対象国債の 残存期間が2年から3年に拡大されており、16日に実施した残存2-3 年対象の買い入れオペには7倍の応札が集まった。

日銀は前月の追加緩和で、年内に24兆円、来年6月までに29兆円の 長期国債の購入を約束している。JPモルガン証券の菅野雅明チーフエ コノミストは会合前、「日銀としては、札割れを回避するために『国債 買い入れの年限を5年に延長する』か、あるいは『付利水準を低下させ る』か、どちらかを選択する必要に迫られている」と指摘した。

白川総裁は札割れが発生している理由は2つあると指摘。第1に、 「こうしたゾーンの金利水準が一段と低下している。これは日銀による 金融緩和効果がそれだけ強力に浸透しているということでもあり、そう いう意味では意図した効果が実現しているということだ」と述べた。

いずれも否定的

第2の理由として「このところ国際金融資本市場で神経質な動きが 見られ、いわゆる質への逃避が影響して安全資産としての国債の需要が 高まっているという側面もある」と指摘。その上で、約束した長期国債 の買い入れについて「市場のことなので時々でいろいろな変化はある が、われわれが持っている手段を使って着実に達成する」と語った。

その上で、現在0.1%の当座預金への付利金利や、0-0.1%の政策 金利の引き下げについて「さらなる金利の引き下げはデメリットが大き い。現在の水準が実質的ゼロ金利と考えている」と言明。さらに、長期 国債の購入枠について「直ちにこの足元の札割れで、達成が難しいとは 考えていない」と述べ、年限の再延長についても否定的な姿勢を示し た。

日銀が外債を購入すべきだという主張に対しては「現在、外国為替 資金特別会計は短期証券を発行でき、これを通じて調達した円資金で外 債を購入できる」と指摘。「この点を考えると、今提案されているさま ざまな議論は、外国為替特別会計による為替市場介入の是非という形で 本来議論されるべきテーマだ」と述べた。

政府が判断する問題

さらに、「外債購入に関する最近の議論は、基本的に円高是正とい う為替介入と同種の効果を念頭に置いているように思われる」と指摘。 「こうした為替相場の安定を目的とする外国為替の売買については、日 銀はあくまでも国の事務取り扱いで行うこと、言い換えれば為替介入が 財務大臣の所管であることが日銀法第40条で定められている」と語っ た。

白川総裁は「したがって、繰り返しになるが、今の提案はその政策 の是非は別にして、やろうと思えば外為特会で今でもできる。その上 で、この政策をやることが是か非かは、これはまた政府が判断する性格 の問題だ」と述べた。

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