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世銀:今年の東アジア地域の成長率を7.6%と予想

世界銀行は最新報告書で、中国の成 長が鈍化し、欧州のソブリン債危機で輸出が打撃を受けているものの、 アジア新興諸国の政策当局者らはインフレリスクに警戒し、緩和政策を 転換する準備を整える必要があるとの見解を示した。

世銀は23日公表した開発途上の東アジア諸国(日本とインドを除 く)に関する半年次報告書で、今年の同地域の経済成長率を7.6%と予 想、昨年の8.2%から鈍化するとの見通しを示した。昨年11月時点では 今年の成長率を7.8%としていた。同地域は欧州の需要と中国の消費に 依存しているため、これら市場の鈍化に対して脆弱(ぜいじゃく)とな っていると説明した。

アジア諸国の多くは今年、政策金利を引き下げているが、世界がギ リシャのユーロ離脱リスクの問題に取り組む中で、アジア各国の政策当 局者は、成長促進圧力をあらためて受けている。経済協力開発機構 (OECD)は22日、欧州債務危機が世界の景気をスパイラル的に降下 させ、大きな打撃を与える危険性があるとの見解を示した。また中国の 温家宝首相は今週、成長支援を従来より重視すると述べた。

インフレリスク看過できず

同報告書はまた石油ショックの潜在的可能性に言及し、「たとえ同 地域の金融当局が政策緩和によって成長促進を試みたとしても、インフ レリスクは看過できない」と分析。「緩和的金融政策に支えられて景気 が上向くことによってもインフレの上振れリスクが生じている。従って 政策当局者は最近の緩和政策を転換する用意を整えるべきだ」と指摘し た。

世銀の東アジア・太平洋地域担当チーフエコノミスト、バート・ホ フマン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「輸出は さらに厳しくなっており、それが東アジアの成長鈍化の一因となってい る」と指摘。中国の今年の成長率は8.2%と、昨年の9.2%から低下する と予想されるが、「これは中国ばかりか地域全体にも影響を及ぼす。中 国向け輸出がこれまでよりも難しくなるからだ」と説明した。

世銀は、発展途上の東アジア地域の成長率が来年8%に加速すると の見通しを示した。中国の来年の成長率は8.6%とした。

ホフマン氏は、「良い面ではもちろん、タイ洪水からの回復があ り、これは同地域に大きく寄与している」と指摘。「日本の震災と津波 の影響を大きく受けたフィリピンの成長加速も挙げられる。これらは成 長を持続させるプラス要因だ。また内需はかなり堅調だ」と付け加え た。

同氏はさらに、向こう2、3年間は欧州と米国の成長は「極めて緩 やか」になる見通しから、東アジア地域は域内に新たな成長源を見つけ る必要があると述べた。

同氏は中国について、「景気減速が若干急速に進み過ぎた場合で も、中国政府には十分な政策余地がある」とした上で、「中国には大き な財政余地が依然あり、金融面でも若干緩和してきたが、さらに少々の 緩和が可能だ」と説明した。

原題:World Bank Says Asia Must Watch Inflation as Expansion Slows (1)(抜粋)

--取材協力:Shamim Adam、Anand Menon、Aika Nanao.

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