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日本のパーム油輸入、過去最高の水準も-大豆相場の高騰で代替需要

大豆相場の高騰で、日本のパーム油 の年間の輸入量が過去最高水準を更新する勢いだ。マーガリンやポテト チップスなどの製造に使われる大豆油の価格上昇分を製品価格に転嫁し づらい状況が続く中、国内植物油メーカーが大豆油の代替としてパーム 油の使用量を増やしているためだ。

昨年のパーム油の年間輸入量は55万7937トンと、すでに過去最高を 記録した。財務省の貿易統計によると、同輸入量は今年1-3月の累計 が12万9276トンと前年同期比で4.4%増加。種子から採取されたパーム 核油を合計した量では同5.3%増加している。

「大豆相場の上昇で原料代が上がっているが、国内はデフレ下でな かなか油製品などの価格に転嫁できない」。植物油生産者の業界団体、 日本植物油協会の神村義則・専務理事は22日、ブルームバーグ・ニュー スの取材で、国内の植物油メーカーの経営状況をこう指摘した。パーム 油の輸入量は「毎年3-4%程度増えている」と述べ、右肩上がりの状 態が続くとし、今年は昨年の過去最高水準を上回る見方を示した。

神村氏によると、日清オイリオグループやJ-オイルミルズなど植 物油生産者は国内人口の減少や原料費の上昇で業績が厳しい状態。原料 需要が大豆油から比較的安価なパーム油などに移っているという。日本 はパーム油の95%をマレーシアから輸入している。マレーシアはインド ネシアに次ぐ世界第2位の生産国。パーム油は世界的には食用油の中で 最も消費量が多い。

マーガリンやショートニング、ラードなどを製造する企業を会員に 持つ、日本マーガリン工業会の植田勉専務理事によると、会員企業の間 ではマーガリン生産でも比較的価格の安い原料を求めてパーム油を使用 する量が増えている。

大豆の国際指標となるシカゴ商品取引所(CBOT)の中心限月は 昨年12月から上昇し始め、今月2日には1ブッシェル当たり15.1250ド ルまで上昇、2008年7月17日以来の高値を付けた。世界の生産量の約5 割を占めるブラジルやアルゼンチンなど南米での生産量が高温乾燥で減 少した影響などを受けた。その後は13ドル台後半で推移、年初来で は14%程度上昇している。

一方、マレーシア証券取引所のパーム原油先物の中心限月は23日午 後1時33分現在、1トン当たり3061リンギット。年初来で4%程度安く 推移している。農林水産省食料産業局の熊谷正幸・油脂類係長によると 日本の植物油需要は減少傾向にあるが、パーム油の消費量は増加してい る。大豆油や菜種油の代替として使用されてきているためだという。

日本植物油協会の神村氏は、油糧生産の際の大豆の処理量について 今年は200万トンを割り込む可能性があるとみている。農水省によると 輸入大豆の11年の処理量は206万6800トン程度だった。日本は同年、大 豆の7割近くを米国から輸入している。

日本マーガリン工業会の資料によると、10年に日本でマーガリン生 産に消費されたパーム油の量は前の年と比べ1.2%増の5万2572トンだ った。一方、大豆油の消費量は12%減の1万643トンだった。

油糧輸出入協議会の荒木和文事務局長によると、国内での大豆油の 製造に関しては、副産物であり家畜のえさとなる大豆ミールの需要に大 きく左右される。「大豆ミールが売れないと大豆は絞れない」と言う。 現在は、円高に伴い国内産の大豆ミールが海外産と比べ一段と割高感が 出ている。荒木氏は、大豆油からのパーム油への代替の流れについて、 近い将来こうした状況が変わる要因は見当たらないとしている。

農水省のまとめによると、昨年の日本の大豆油生産量は14%減の40 万1455トン。一方、パーム油とパーム核油の生産量は3.5%増の64 万9604トンと、大豆油を大きく上回っている。

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