円全面高、日銀緩和見送りで買い圧力強まる-対ドル79円半ば

東京外国為替市場では円が主要16通 貨に対して全面高となった。対ドルでは午前に付けた1ドル=80円08銭 から、79円台半ばに水準を切り上げた。日本銀行はこの日の会合で、金 融政策の現状維持を決定したが、海外の市場関係者を中心に一部で追加 緩和期待があったとの指摘も聞かれ、失望感から円買い圧力が強まる格 好となった。

ドル・円相場は午後の取引で一時79円45銭まで円高が進行。午後3 時50分現在は79円54銭付近で取引されている。ユーロ・円相場も一時1 ユーロ=100円61銭と、2営業日ぶりの円高値を付けた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、日銀の追加緩和 見送りはある程度読めていたので、予想以上に円高に振れている感があ り、「一部には期待感もあった」ようだと指摘。また、日経平均株価が マイナス幅を拡大していることも、「円が買われている背景」にあると 付け加えた。

一方、ユーロは対ドルで一時1ユーロ=1.2645ドルと、3営業日ぶ りの水準まで一段安となったあとは、午後にかけて1.26ドル台後半で取 引された。

日銀が追加緩和見送り

日銀は23日開いた金融政策決定会合で、全員一致で政策の現状維持 を決定した。政策金利は0-0.1%に維持。資産買い入れ等基金のうち 金融資産の買い入れを40兆円、固定金利方式の共通担保オペを30兆円の 計70兆円に据え置いた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作シニア為替・債券 ストラテジストは、今回の日銀会合については、日本国内では見送りと いうところでほぼコンセンサスができていたが、海外の市場関係者を中 心に「金融緩和イコール円安といったストーリー」ができ上がっていた 可能性があると指摘。また、今回の追加緩和見送りを受けて円高に振れ たことで、「円高進行時の日銀への圧力が政治的に見てもかかりやすく なると考えられる」と語っている。

一方、ギリシャで政局と財政問題をめぐる不透明感がくすぶる中、 この日は欧州連合(EU)の非公式首脳会議が開かれる。欧州債務危機 沈静化の一手段として期待されているユーロ圏の共同債をめぐっては、 ドイツ政府の当局者が議論の可能性を否定している。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、「にわかにユーロ圏共同債が出るのか出ないのかという ところに市場の関心が引っ張られているのが気になる」とし、「余計な 失望リスク」を背負ってしまったかもしれないと話す。

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