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日銀会合:金融政策の現状維持を決定、全員一致

日本銀行は23日開いた金融政策決定 会合で、全員一致で政策の現状維持を決定した。欧州債務問題の深刻化 により世界的に金融市場で緊張が高まっているが、日銀は当面、前回会 合で実施した追加緩和の効果を見極める構えだ。

政策金利は0-0.1%に維持。基金のうち金融資産の買い入れを40 兆円、固定金利方式の共通担保オペを30兆円の計70兆円に据え置いた。 政策委員は2人空席で現在7人。ブルームバーグ・ニュースが有力日銀 ウオッチャー14人を対象に行った予想調査でも、全員が現状維持を予想 していた。

日銀は発表文で、景気の現状は「なお横ばい圏内にあるが、持ち直 しに向かう動きが明確になりつつある」、先行きも「緩やかな回復経路 に復していく」として、前月の判断を据え置いた。ただ、国際金融資本 市場については「欧州債務問題をめぐる懸念等から、このところ神経質 な動きがみられ、当面注意して見て行く必要がある」と指摘した。

日銀は先月27日の金融政策決定会合で、基金における長期国債の購 入を10兆円増額し、対象国債の残存期間を「1-2年」から「1-3 年」に拡大することを全員一致で決めた。株価指数連動型上場投資信託 (ETF)も2000億円、不動産上場投資信託(J-REIT)も100億 円増額した。

中間評価の7月が最有力

前回会合で追加緩和が行われたばかりということもあり、今会合は 現状維持との見方がコンセンサスだった。もっとも、日銀が当面のめど とする消費者物価上昇率1%の達成時期は遠いとみられていることに加 え、欧州債務問題の深刻化で円高・株安の流れが続いていることもあ り、追加緩和の打ち止め感は出ていない。日銀ウオッチャー14人のうち 9人が次の一手のタイミングとして6月ないし7月を挙げた。

SMBC日興証券の岩下真理債券ストラテジストは「現時点で日銀 の次なる追加緩和を検討するタイミングは、消費税国会の方向性が見え るころ、6月17日のギリシャ再選挙、6月19、20日の米連邦公開市場委 員会(FOMC)の結果を踏まえた後、展望リポートの中間評価時とな る7月11、12日決定会合がメイン」とみる。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「物価安定の めどに基づき、今後1%のインフレ率が視野に入ってくるまで日銀流の グラジュアリズム(漸進主義)の下で3カ月ごとの見通しの公表時に情 勢の点検を行いながら、資産買い入れ基金による国債の追加購入を行う 可能性が高い」と指摘。次回政策変更のタイミングは7月前後とみる。

国債年限延長か付利の引き下げか

日銀が16日実施した資産買い入れ等基金における残存2年以下の国 債買い入れオペで、応札額が予定額を下回る札割れが初めて発生。18日 の長期国債買い入れ(輪番オペ、残存1年以下)でも2006年2月22日以 来の札割れが発生した。日銀は4月27日会合で同基金の買い入れ対象国 債の残存期間を2年から3年に拡大しており、16日に実施した残存2- 3年対象の買い入れオペには7倍の応札が集まった。

JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは札割れの背景に ついて「足元、国債利回りが急低下する中で、国債に対する需要が高ま り、日銀のオペ(最低利回り0.1%)の魅力が薄れたためだ」と指摘。 その上で「日銀としては、札割れを回避するために『国債買い入れの年 限を5年に延長する』か、あるいは『付利水準を低下させる』か、どち らかを選択する必要に迫られている」という。

日銀は資産買い入れ等基金で年内に24兆円の長期国債の買い入れを 行うことを目標にしている。10日現在の基金が保有する長期国債残高 は8.5兆円で、残る買い入れ枠は15.5兆円。今後少なくとも月間2兆円 のペースで買い入れを実行する必要がある。

菅野氏は「日銀は目標を達成するため、国債の年限を5年に延長す る必要が出てくるだろう」と指摘。7月に行う経済・物価情勢の展望 (展望リポート)の中間評価に合わせ、「年限の延長を含む追加緩和 策」を打ち出すと予想する。一方、当座預金の超過準備への付利 (0.1%)の引き下げについては、白川方明総裁が市場の機能をき損す るとして反対してきたこともあり、見送られるとみている。

白川総裁が午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は6月20日 に公表される。

金融政策決定会合、金融経済月報などの予定は以下の通り。

 会合開催       総裁会見 金融経済月報  議事要旨
6月14、15日   6月15日     6月18日    7月18日
7月11、12日  7月12日   7月13日  8月14日
8月8、9日  8月9日   8月10日  9月24日
9月18、19日  9月19日   9月20日    10月11日
10月4、5日   10月5日     10月9日    11月2日
10月30日       10月30日        -      11月26日
11月19、20日   11月20日     11月21日    12月26日
12月19、20日   12月20日     12月21日     未定

総裁会見は午後3時半。金融経済月報は午後2時、経済・物価情勢 の展望(展望リポート)は10月30日。議事要旨は午前8時50分。

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