5月22日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロが対ドルで下落、ギリシャのユーロ圏離脱懸念で

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し2カ月で最大 の下げ。ギリシャがユーロ圏を離脱するとの懸念が強まった。欧州連合 (EU)はあすブリュッセルで首脳会議を開催する。

ユーロは円に対しては上げを消した。ダウ・ジョーンズ(DJ) は、ギリシャのパパデモス前首相が、同国はユーロ圏からの離脱の準備 を検討していると語ったと報じた。円はドルに対しここ1カ月余りで最 大の下げ。日本銀行は22日から2日間の日程で金融政策決定会合を開 催。市場では、経済成長の押し上げに向け追加緩和を実施するとの観測 が広がっている。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ギリシャが実際にユーロ圏離 脱のテクニカルな可能性に対して準備できると分かると、奇妙にも市場 ではショックが広がった」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時43分現在、ユーロはドルに対し前日比 1%安の1ユーロ=1.2687ドル。一時1.3%安と、日中としては3月9 日以来で最大の下げとなった。

円は対ドルで0.9%安の1ドル=80円02銭。一時は1.1%安と、4月 3日以降で最大の下げとなった。対ユーロでは0.1%上げて1ユーロ =101円51銭。一時は0.5%安を付けた。

「切迫感に欠ける」

JPモルガン・チェースはこの日、円を除く全ての通貨に対するド ルの予想を上方修正した。ギリシャがユーロ圏離脱に「傾いている」こ とや、米中の景気減速を理由に挙げた。6月末の予想は、ユーロが1ユ ーロ=1.22ドルと、11日時点での予想1.34ドルから修正された。一方ド ルの対円相場については、第2四半期末に1ドル=78円に下落する可能 性があるとしている。。

フィッチは、日本の長期格付けを「A+」に引き下げた。見通しは ネガティブ(弱含み)。自国通貨建ては「AA-」から1段階、外貨建 ては「AA」から2段階引き下げた。

フィッチのアジア太平洋地域ソブリン・チーム責任者、アンドル ー・カフーン氏は「日本の財政健全化計画は、困難な財政状況にある他 の高所得国と比較しても切迫感に欠けると思われる」と指摘した。

ユーロ安

安住淳財務相はこの日記者会見で、これまでの日銀の金融政策運営 について「高く評価している」とした上で、今後も「適時適切に十分な 対応してくれると思っている」と述べた。

経済協力開発機構(OECD)が欧州債務危機について、悪循環の リスクが高まりつつあると指摘。これにも反応しユーロは値下がりし た。

ドイツのメルケル首相は21日、オランド仏大統領と意見の衝突が起 きることも辞さないと語った。

バンク・オブ・モントリオールの外国為替マネジングディレクタ ー、ブレーク・ジェスパーセン氏(トロント在勤)は「メルケル首相と オランド大統領がどううまくやっていくのか、またオランド大統領が選 挙前のレトリックを一部変えるかどうかに注目している」と指摘。「今 後鍵となるのは、フランスが歩調を合わせ、ドイツを支えるのかという 点だ」と続けた。

原題:Euro Weakens Against Dollar on Concern Greece Will Leave Union(抜粋)

◎米国株:引け前に失速、ギリシャのユーロ圏離脱準備の報道で

22日の米国株相場は取引終了前の1時間に失速した。経済統計を受 けて景気への楽観が広がったが、ギリシャのユーロ離脱懸念やフェイス ブックの急落が売りを誘った。

S&P500種株価指数の中では素材株やテクノロジー株が下落した 一方、金融株は上昇した。フェイスブックは過去2日間で19%下落し た。S&Pの住宅建設株指数は上昇。4月の中古住宅販売が予想以上に 良好だったことが好感された。家電量販店のベスト・バイも上昇した。 同社第1四半期利益がアナリスト予想を上回ったことが材料。

米証券取引所全体の騰落比率は1対3。S&P500種株価指数 は0.1%上げて1316.63。一時は1%高となる場面もあった。ダウ工業 株30種平均は1.67ドル安の12502.81ドル。

BB&Tウェルス・マネジメント(アラバマ州)で170億ドル相当 の資産運用に携わるウォルター・ヘルウィグ氏は「株価の方向が180度 変わった」と述べ、「相対的な話では米国の状況はまだ一番ましだ。な お欧州が主要な材料だ」と続けた。

パパデモス氏の発言

ダウ・ジョーンズ(DJ)通信の報道を材料に相場は方向転換し た。DJによると、ギリシャのパパデモス前首相は同国がユーロ圏から の離脱準備を検討していると述べた。23日には欧州連合(EU)首脳会 議(サミット)が開かれる。

朝方は全米不動産業者協会(NAR)の発表した4月の中古住宅販 売件数が増加したほか、欧州と中国が成長促進に取り組むとの観測が買 い材料となった。

欧州債務危機への懸念からS&P500種は4月に記録した4年ぶり 高値から8.7%下落。ただ、年初来では4.7%上昇している。ブルームバ ーグのまとめたデータによると第1四半期決算を発表したS&P500種 採用企業のうち約70%がアナリスト予想を上回った。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャ ード・シーシェル氏は「リスク志向の取引からリスク解除の取引へと急 速に移った」と解説。「ギリシャは主要経済国ではないが、ユーロ圏を 離脱した場合の波及効果に対して不安があるのは明らかだ。たとえ米経 済統計が良好でも、これらの外部要因が相場の重しになっている」と続 けた。

フェイスブック下落

フェイスブックは8.9%下落。ビボタル・リサーチ・グループのア ナリスト、ブライアン・ウィーザー氏は「過度に宣伝された銘柄の購入 は常にリスクが伴う。経験則を使い、ファンダメンタルズと離れたバリ ュエーションを見極めるべきだ」と指摘。「フェイスブックを見る際に 不透明感を示唆する材料が多くあることを投資家は考慮すべきだ」と続 けた。

住宅建設株ではパルトグループが2.5%高、レナーが2.2%値上がり した。24銘柄で構成されるKBW銀行指数は1.1%上昇。そのうち22銘 柄が上昇した。

ベスト・バイは1.6%高。同社はブライアン・ダン前最高経営責任 者(CEO)の下で、アマゾン・ドット・コムなどオンライン小売業者 への対抗策の一環としてスマートフォンを値引きし顧客を引き寄せた。 一方、テレビやノート型パソコンの需要は低調で、第1四半期の既存店 売上高は5.3%減少となった。

原題:U.S. Stocks Erase Gain on Greece Woes as Facebook Tumbles

8.9%(抜粋)

◎米国債:下落、EU首脳会議控え逃避需要が後退-危機対応に期待

米国債相場は下落。域内の財政危機をめぐり23日にブリュッセルで 開催される欧州首脳会議を控え、安全とされる資産への需要が後退し た。

10年債利回りは3営業日連続で上昇し、過去2カ月間で最長の上昇 局面。前週は過去最低付近に下げていた。この日の米国債相場は朝方か ら軟調に推移した。ただ米財務省が実施した350億ドル規模の2年債入 札は、過去の平均を上回る応札倍率となった。今週3日間にわたり行わ れる計990億ドルの入札のうち、2日目となる23日は5年債の入札が実 施される。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、 アイラ・ジ ャージー氏(ニューヨーク在勤)は「市場がやや先走った結果、買われ 過ぎの感があった」と指摘。「その多くは海向こうのニュースに反応し たものだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時7分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)上昇の1.78%。同年債(表面利率1.75%、2022 年5月償還)価格は10/32下落して99 3/4となっている。

ギリシャ問題

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エド モンズ氏(ニューヨーク在勤)は「一部でギリシャがユーロ離脱を検討 しているとの報道があった」とした上で、「ギリシャは離脱しなければ ならないかもしれない。問題はそれがどの程度、無秩序なものとなるか だ」と述べた。

10年債利回りは5月17日に1.6886%と、昨年9月23日に付けた過去 最低の1.6714%に近づいた。前週は週間で12bpの下落となった。

JPモルガンの週間調査によると、投資家は米国債の上昇を見込ん だポジションを減らし、中立や売り持ちを増やした。

同調査によれば、前日までの1週間で「ネットロング(買い越 し)」は4%と、約2カ月ぶり高水準を付けた前週の11%から大幅に減 少。「ロング(買い持ち)」は前週の26%から21%に減少した。

2年債入札

既発2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.29%。2年債入札では 最高落札利回りが0.300%と、ブルームバーグがまとめたプライマリデ ィーラー9社の予想平均に一致した。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.95倍と、昨年11月に過去最 高の4.07倍を付けて以来の高水準。過去10回の入札の平均は3.62倍。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「非常に堅調な入札だった」と指 摘。「需要を押し上げている主材料は欧州情勢だ」と述べた。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める比率は33.5%だ った。過去10回の入札の平均は33.4%。プライマリーディーラー(政府 証券公認ディーラー)以外の直接入札の落札比率は9%。過去10回の平 均は12.9%。

米財務省は5年債入札(発行額350億ドル)を明日に、7年債入札 (発行額290億ドル)を24日に控えている。5月17日に実施した130億ド ル相当の10年物インフレ連動債(TIPS)と今週の入札を合わせた資 金調達額は529億ドル。一方、流通市場で償還期限を迎える国債の総額 は591億ドルとなっている。

原題:Treasuries Decline as Haven Demand Ebbs Before European Summit(抜粋)

◎NY金:続落、現物需要落ち込む-ドル上昇で代替需要も減退

ニューヨーク金先物相場は続落。宝飾や工業向けの需要が減少し た。ドルが上昇したことも、代替投資先としての金買いが後退する要因 となった。

UBSの21日のリポートによると、世界最大の金消費国であるイン ドの金需要は18日に3月下旬以来の低水準となった。ドルは主要通貨の バスケットに対して、この日は一時0.5%高、今月に入ってからは3.5% 上昇している。一方、金は月初から5.3%の値下がり。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「非常に慎重な見方が広が っており、押し目でも買い意欲はそれほど強くない」と指摘。「ドルが 上昇しており、金にとっては好ましくない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物6 月限は前日比0.8%安の1オンス=1576.60ドルで終了した。

原題:Gold Retreats in New York as Physical Demand Falls, Dollar Rises(抜粋)

◎NY原油:反落、イランとIAEAが核査察で合意

ニューヨーク原油先物相場は反落。イランが西側諸国による核施設 の査察を認めたことから、同国の核開発プログラムをめぐる対立で供給 に支障が出るとの懸念が和らいだ。

国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は22日、査察の受 け入れでイランと合意したことを明らかにした。経済協力開発機構 (OECD)は、ユーロ圏の債務危機が波及し世界経済に深刻な打撃を 与えるリスクがあるとの認識を示した。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の商品調査ディレクター、 カイル・クーパー氏は「イランの合意は確実に前向きな一歩で、イラン をめぐる不安プレミアムは引き続き低下することになりそうだ」と指摘 しながらも、「その一方で、欧州はなお大きな懸念材料として残ってい る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物6月限は前日 比91セント(0.98%)安の1バレル=91.66ドルで終了。6月限はこの 日が取引最終日。実質中心限月となった7月限は1.01ドル安の91.85ド ル。

原題:Oil Drops as Iran, IAEA Reach Agreement on Nuclear Inspections(抜粋)

◎欧州株:1カ月ぶり大幅高-成長支援に期待、英ボーダフォン高い

22日の欧州株式相場は1カ月ぶり大幅高。中国とユーロ圏が世界の 経済成長を刺激する追加措置を講じるとの見方が浮上した。

携帯電話サービスの英ボーダフォン・グループは4.2%上昇した。 四半期のサービス収入が市場予想を上回ったことが買い材料。フランス のホテル会社アコーも高い。格安ホテル「モーテル6」を19億ドルで売 却すると発表した。一方、スイスの補聴器メーカー、ソノバ ホールデ ィングは9.9%の値下がり。通期利益が市場予想に届かなかった。

ストックス欧州600指数は前日比1.9%高の244.76で終了し、4月17 日以来の大幅高。ただ、ギリシャの再選挙で緊縮策に反対する政権が誕 生するとの懸念で、3月16日に付けた年初来高値は10%下回っている。

フランクフルト・トラスト・インベストメント(フランクフルト) のファンドマネジャー、ライムント・ザクシンガー氏は「先週かなり売 られ過ぎたので、主にテクニカル要因に引っ張られた相場上昇となっ た」と説明。「これまでの懸念は依然として続いている。次に市場が本 当に注目するのはギリシャの選挙で、それはつまり有権者がギリシャの ユーロ圏残留に票を投じるのか否かということだ」と付け加えた。

ストックス欧州600指数は前日は0.5%上昇。中国が成長促進を支援 する姿勢を示したためだ。23日は欧州首脳会議が開かれる。この日の西 欧市場では、18カ国中16カ国で主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Rally the Most in a Month; Vodafone Shares Gain(抜粋)

◎欧州債:伊国債が5日続伸-欧州首脳会議控え、独・英国債は下落

22日の欧州債市場ではイタリア10年債が5営業日続伸。2カ月 で最長の連続高となった。23日の欧州連合(EU)首脳会議で域内景 気を押し上げる追加措置が発表されるとの観測が相場を支えた。

スペイン国債も上昇し、10年債利回りは1月以来最大の低下。ド イツのショイブレ財務相は21日、ブリュッセルで開催の首脳会議に ついて、ドイツは成長支援のためのあらゆる構想を検討すると発言し た。債務危機封じ込めへの楽観は一方で、ドイツ国債の売り材料とな った。同国債の利回りは過去最低水準に近い。

DZ銀行の債券ストラテジスト、ミヒャエル・ライスター氏は 「EUの幅広いレベルでの政策対応があるかもしれないとの漠然とし た見方がある」と指摘。「投資家はハルマゲドンのシナリオは相当部 分が既に織り込まれたと認識している。利回りが過去最低に達したこ とを踏まえ、ドイツ債で利益を確定させる動きが多少ある」と説明し た。

ロンドン時間午後4時10分現在、イタリア10年債利回りは前 日比19ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の5.60%。 一時は5.59%と、今月14日以来の低水準を付けた。同国債(表面 利率5%、2022年3月償還)の価格は1.23上げ95.965。5日続 伸は3月2日までの期間以来最長。

スペイン10年債利回りは18bp低下の6.09%。日中の下げと しては1月27日以来最大となる20bp低下となる場面もあった。

ドイツ10年債利回りは5bp上昇の1.48%。18日は過去最低 の1.396%を付けていた。2年債利回りは2bp上げて0.06%。過 去最低は18日に記録した0.031%。

独連邦銀行によれば、ドイツが23日入札する2014年6月満期 の50億ユーロ相当の債券はクーポンが0%となる。4月18日の前 回の2年債入札では、平均落札利回りが0.14%と過去最低だった。

EU首脳会議を控え、安全資産と見なされる英国債も続落。10年 債利回りは3bp上昇の1.88%となった。一時は、今月16日以来 の高水準となる1.90%に達した。同国債(表面利率4%、2022年 3月償還)の価格は0.31下げ118.92。

原題:Italian Bonds Gain on Bets Leaders Will Boost Growth; Bunds Fall(抜粋) 原題:Pound Weakens Versus Dollar as Inflation Slows; Gilts Decline(抜粋)

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