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米国債:下げ渋り、10年債利回りは過去最低付近-入札控え

21日の米国債市場では、10年債利回 りが過去最低付近で推移した。ギリシャ総選挙後の政局行き詰まりが欧 州債務危機の悪化を招いていることを受け、独仏の財務相は戦略を議論 する会談に臨んだ。

米30年債利回りは昨年12月以来の低水準付近。ニューヨーク連銀は この日、18億ドル相当の長期債を購入した。22日以降に実施される総 額990億ドルの利付債入札を前に、記録的な低利回りで応札が鈍るとの 観測から米国債は朝方に下げた。10年債と30年債の利回り格差は1月以 来の最小。インフレが利付債の価値を低下させるとの懸念が後退したこ とが背景にある。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「長期債への需要が続 いている」とし、「質への逃避を背景とした需要が続き、今週の入札を 下支えするだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前週末比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01ポイント)上昇の1.74%。同年債(表面利 率1.75%、2022年5月償還)価格は5/32下落して100 2/32。利回りは一 時、5bp上昇する場面も見られた。過去最低は昨年9月23日 の1.67%。

7年債利回りは1bp低下して1.17%。今月18日には過去最低 の1.135%を付けていた。

利回り予想

30年債利回りはほぼ変わらずの2.81%。10年債と30年債の利回り格 差は107に縮小し、1月19日以降で最小となった。今月1日には今年最 大の120bpに拡大していた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 今月18日までの1カ月間で国債リターンは1.5%と、より安全とされる 資産への需要の高まりを反映している。一方、配当金の再投資を含めた 株式のMSCIオールカントリー世界指数は同期間で8.2%の下落とな った。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、ブルームバーグ ラジオのインタビューで、10年債利回りは現在の水準をはさみ10bp低 下、もしくは30bp上昇の範囲で推移する可能性があると指摘した。

「対抗できない」

今週実施される入札で発行額は22日の2年債と23日の5年債がそれ ぞれ350億ドル、24日の7年債が290億ドルとなっている。

米国債は過去最も割高とされる水準に近づいていることが示唆され ている。米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストが開発した金 融モデルに基づくタームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はマイ ナス0.82%と、今月17日に付けた過去最も割高な水準となる0.83%に近 づいている。マイナスのタームプレミアムは適正水準を下回る利回りで も投資家が積極的に受け入れていることを意味する。

ボラティリティ(変動性)の指標とされるメリル・オプション・ボ ラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は18日に70.6bpと前 日からほぼ変わらず、過去1年間の平均である87.94bpを下回った。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼米 国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨーク 在勤)は、「売り持ちは残されていない。ニューヨーク連銀は買い手と して非常に大きく、対抗することはできない」と述べた。

原題:Treasury 10-Year Yield Close to Record Low Amid European Talks(抜粋)

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