政府が最大76%の議決権取得、1兆円資本注入で東電を国有化

東京電力は21日、債務超過を回避す るために受け入れる公的資金1兆円の注入について優先株式発行の詳細 を発表した。2種類の優先株を計19億4000万株発行し、政府が最大76% (3分の2以上)の東電の議決権を取得できる。

東電の発表によると、優先株は議決権のあるA種類株(16億株) と、議決権はないものの追加的に議決権を取得できる転換権のついたB 種類株(3億4000万株)を発行する。これにより原子力損害賠償支援機 構は東電の議決権50.11%を取得するが、経営改革や損害賠償の実施が 順調に進まなかった場合には、B種優先株をA種優先株に転換すること で議決権を76%まで拡大し影響力を強めることが可能。

機構が議決権割合を3分の2以上まで増やす場合や、一度2分の1 以下まで減らした議決権を再度2分の1以上に増やす場合には、特別事 業計画を変更し、経済産業相の認定を受けることが必要となる。

A株の発行額は1株につき200円、B株は同2000円となっている。 A株では、この発行額に12カ月物のTIBOR(東京銀行間貸出金利) プラス0.25%をかけたものを配当金として支払う。議決権がない分、B 株ではTIBORに対するスプレッドが0.5%になる。東電総務部株式 グループマネージャーの大槻陸夫氏によると、足元のTIBORを元に 試算すると、機構が受け取る配当金はA株で総額22億7000万円、B株 で65億3000万円になるという。

優先株への配当金支払いは普通株への配当金よりも優先するが、A 株とB株間での配当の支払い順位に差はない。賠償金支払い目的で機構 が拠出した資金の返済として東電が支払う「特別負担金」と、配当のど ちらを優先させるかについては未定だという。

最大95%の議決権

2種類の優先株が普通株に転換された場合、機構の議決権は最大 で95%になる。大槻氏によると、普通株への転換は機構による「出口の ときに普通株にして市場で売却して」出資金を回収する手段であり、機 構が東電への支配力を強める目的での転換など「それ以外は想定してい ない」という。

東電は、経営改革の進展や市場に影響を与えない範囲、機構が所有 している株式を「適切な時期に」取得することも計画している。大槻氏 は、時期などについては未定とした。

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