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バーナンキ議長の追加緩和にゴーサイン-インフレ期待が後退

債券トレーダーが米国のインフレ期 待を昨年12月以降で最も大幅に後退させているため、米連邦準備制度理 事会(FRB)のバーナンキ議長には追加の景気刺激策を取る余地が出 てきた。

「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」と呼ばれるFRB の保有債券の残存期間長期化プログラムはあと6週間で終了するが、イ ンフレ連動債(TIPS)の利回りやフォワード市場のインフレ期待を 測る尺度などは物価上昇懸念の後退を示している。バンク・オブ・アメ リカ(BOA)によると、トレーダーはFRBが新たな景気刺激策に着 手する確率を55%とみている。

追加緩和策が高まっているのは、雇用の伸びが予想よりも一段と緩 やかになりつつある上、バーナンキ議長が4月25日に「必要に応じて追 加策を講じる用意は引き続き整っている」と発言したことが背景。 FRBがトレーダーのインフレ期待の尺度として重視する数値は今月、 昨年9月にツイストオペを発表して以降では初の2カ月連続低下となる 公算が大きい。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメントの債券トレーデ ィング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は14日のイ ンタビューで「景気の弱さだけではなく、インフレ後退もFRBが追加 刺激策を講じるもう一つの理由になる可能性がある」と述べた。

ドイツ銀行の投資銀行部門とJPモルガン・チェースは10年物米国 債利回りが今年、過去最低の1.5%に急低下すると予想している。先週 は1.72%。3月20日には今年最高の2.4%を付けている。これまでの最 低は昨年9月23日の1.67%。過去10年の平均は3.82%。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーの価格情報によると、先週の 米国債市場では10年債利回りが12ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下し1.72%を付けた。米国債相場は9週連続で上昇 し、1998年10月以降で最長の上昇を記録している。

ブレークイーブンレート

トレーダーのインフレ期待を示す10年債と同年限のTIPSとの利 回り格差(ブレークイーブンレート)は17日に2.04ポイントと、1月23 日以降で最小を付けた。3月20日には今年最大の2.45ポイントに達して いた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの米金利戦略責任 者、プリヤ・ミスラ氏(ニューヨーク在勤)は14日の電話インタビュー で、「デフレが織り込まれた確率が高まったとFRBが言うには10年物 ブレークイーブンレートが2%を割り込む必要があるだろう」と述べ、 「そうなれば追加刺激策に道が開かれる。ただ、まだそこには達してい ない」と指摘した。

FRBが金融政策決定の際に物価上昇予測の尺度として使っている 現在の5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イーブ ン・インフレ率(フォワードBEI)は16日に2.43%に低下。3月19日 には2.78%を付けていた。4月には9bp低下し、昨年12月以降で最大 の下げ幅を記録している。

原題:TIPS Giving Bernanke Green Light for New Ease Amid Record Yields(抜粋)

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