JPモルガン支える欧州住宅ローン証券市場-撤退なら悪影響

資産規模で米銀最大手のJPモルガ ン・チェースは、米国以外の住宅ローン証券の保有を過去3年間で35倍 に増やした。20億ドル(約1583億円)の損失が発覚したチーフ・インベ ストメント・オフィス(CIO)部門に厳しい目が向けられる中で、欧 州市場で最大の買い手である同行が購入を手控える可能性に投資家は懸 念を強めている。

監督当局への届け出によれば、JPモルガンは1-3月(第1四半 期)に住宅ローン証券の購入を加速させ、保有額は85億ドル増えて745 億ドル(約5兆9000億円)となった。同行の投資は、重点を置いてきた オランダと英国のモーゲージ債市場の全体の規模の9%近くに達する。

オランダのハーグに拠点を置くイーゴン・アセット・マネジメント の資産担保証券(ABS)責任者、フランク・エリック・メイエル氏は 「彼らが購入をやめれば、現時点での主要な買い手の一つであるだけに かなりまずい事態になるだろう」と指摘。仮に売らざるを得ないという ことになれば、指標金利と比較した利回りを「相当上昇させるのは間違 いない」との見方を示している。

住宅ローン証券市場に関与する銀行や投資会社の関係者6人が匿名 で語ったところでは、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住 宅ローン関連証券が引き金となった世界的な信用危機以降、欧州の金融 機関が活動の縮小を余儀なくされ、他の潜在的な買い手もABSを敬遠 する中で、JPモルガンが価格と発行の下支え役となってきた。

最大の買い手の一つ

JPモルガンのCIO部門でのデリバティブ(金融派生商品)関連 の20億ドルの損失発覚は、特定の信用市場に対する同部門の影響力の大 きさを浮き彫りにした。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者 (CEO、56)は損失を公表する4週間前の先月の段階で、ABSが同 部門の「非常に保守的な」保有資産の一部だと説明していた。同行のロ ンドン在勤の広報担当ブライアン・マーチオニー氏はコメントを控えて いる。

関係者らによれば、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グ ループ(RBS)やロイズ・バンキング・グループ、スペインのサンタ ンデール銀行の英国部門、オランダのINGグループ、イーゴンの融資 を裏付けとする証券の最大の買い手の一つがJPモルガンだった。

ロイズが1年間余り休止状態となっていた欧州の証券化市場を再開 させた2009年9月当時、JPモルガンはロイズとネーションワイド・ビ ルディング・ソサエティーの発行事業体が起債する22億5000万ポンド (現在のレートで約2820億円)相当の購入を約束した。

ロイズのバンク・オブ・スコットランド(BOS)部門の証券化責 任者、ロバート・プレン氏(ロンドン在勤)は当時、JPモルガンがロ イズに証券発行を働き掛け、「新たな取引に取り掛かるきっかけを提供 した」と話していた。

原題:JPMorgan’s Home-Loan Debt in Europe Increases Anxiety: Mortgages(抜粋)

--取材協力:Dawn Kopecki、Christine Harper、Pierre Paulden.

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