JPモルガン、リスク管理者ゴールドマン氏の損失歴認識

米JPモルガン・チェースのチー フ・インベストメント・オフィス(CIO)部門でリスク管理を担当し ていたアービン・ゴールドマン氏は、前の勤務先の米キャンター・フィ ッツジェラルドで損失を計上した投資をめぐって2007年に解雇されてい た。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。この問題ではキャンター が監督当局の調査を受けていた。

JPモルガンは今年2月に同氏をCIOのリスク管理責任者に起用 した。同行は当時、ゴールドマン氏のキャンターでの行為が当局による 同社制裁につながったことを認識していたと、事情を知る関係者は述べ た。

20億ドル(約1600億円)を超す損失を出したCIO部門のリスク管 理は重大な問題として注目されており、米監督当局が今回の損失問題を 検証しているほか、議会は預金者を危険にさらしかねない銀行のリスク テークをどう防止するかを議論している。事情に詳しい関係者1人によ ると、ゴールドマン氏は義理の兄弟のバリー・ズーブロー氏(59)が1 月にリスク管理担当トップから退任したのを受けて、リスク管理の職に 就いた。JPモルガンは損失公表から1週間足らずのうちにゴールドマ ン氏を解任し、チェタン・バーギリ氏を後任としたと事情に詳しい関係 者は話している。

キャンターは2010年に、ゴールドマン氏が同社の自己勘定部門で取 引していたのと同じ株式を個人口座で売買していたのを監督しなかった として、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の電子株式市場Arca の法規執行部門から25万ドルの支払いを命じられていた。同氏による株 式投資は06年12月に一部銘柄が急落した。NYSE・Arcaは同氏の 個人的投資が利益相反に当たり、投資の判断に影響した可能性があると 指摘したことがNYSEのウェブサイトに掲載された和解文書に示され ている。

和解

この件についてキャンターは不正行為を肯定も否定もせずNYSE との和解に応じた。NYSEの文書では、ゴールドマン氏は当時の役職 名でしか言及されておらず、違法性を直接追及されてはいなかった。解 雇の経緯を知る複数の関係者が退社理由は非公開だとして匿名を条件に 語った。キャンターはトレーダーが自己勘定取引で買った銘柄を個人的 に投資することを社内で禁止している。

JPモルガンの広報担当、クリスティン・レムコウ氏はゴールドマ ン氏のキャンターでの行動や同行でのリスク管理責任者への起用決定に に関してコメントを控えた。ゴールドマン氏からのコメントは現時点で は得られていない。

複数の関係者によると、JPモルガンは現在、トレーディングリス クを隠そうとした人物がいるかどうかを調査している。関係者1人によ れば、同行はゴールドマン氏に何らかの不適切な行為があった事実は発 見していない。

原題:JPMorgan CIO Risk Chief Said to Have History of Trading Losses(抜粋)

--取材協力:Bradley Keoun、David Scheer.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE