ソーシャル・ネットワーク・サービ ス(SNS)の米フェイスブックは17日、ハイテク企業としては過去最 大となる160億ドル(約1兆2700億円)規模の新規株式公開(IPO) を実施した。IPO価格は引き上げ後の仮条件の上限となった。

17日の発表資料によると、フェイスブックは1株当たり38ドルで4 億2120万株を売却。ブルームバーグとディーロジックの集計データによ ると、時価総額は1042億ドルとなり、米国の新規公開株としては最大と なる。同社は今週、投資家の需要に対応するためIPOの規模を拡大し ており、ゴールドマン・サックス・グループやベンチャーキャピタルの アクセル・パートナーズなど同社既存株主がより多くの利益を得られる ことになった。

スターン・アジー・アンド・リーチのアナリスト、アービンド・バ ーティア氏は「公募・売り出し価格がもっと高くなる可能性もあったと 思うが、上場時の上昇余地を残しておきたかったのだろう」と指摘。 「需要は明らかに旺盛だったので、そうなると思う」と語った。

今回のIPOはハーバード大学の学生寮でのプロジェクトを10年足 らずで9億人超のユーザーを持つSNSに飛躍させたフェイスブックの 発展の頂点ともいえる。投資家はS&P500種株価指数を構成する企業 の大部分よりも株価収益率(PER)が高い同社株を購入することにな り、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO、28)は売り上げ 成長の鈍化を食い止めることが課題となる。同社の前四半期利益は12% 減少した。

パリセード・キャピタル・マネジメントの最高投資責任者 (CIO)、ダン・ベルー氏は「バリュエーション(株価評価)は十分 なようだが、フェイスブックに対してリテール(小口)投資家の関心は とどまるところを知らない規模だったに違いなく、バンカーたちもこの ように見ている」と指摘。「誰もがフェイスブックに投資妙味を感じて いる」と付け加えた。

IPO規模

フェイスブックは18日に証券コード「FB」でナスダック・ストッ ク・マーケットに上場する。

ブルームバーグの集計データによれば、フェイスブックの160億ド ルのIPOは追加売り出し(オーバーアロットメント)を除いたベース では、ゼネラル・モーターズ(GM)の株式公開を超えて米国では史上 2番目の規模。

GMは2010年11月に158億ドルのIPOを実施した後、オーバーア ロットメントの実施で規模が181億ドルに膨らだ。米国最大のIPO は08年のビザの179億ドルで、その後同社のIPOの規模は197億ドルに 拡大した。

売上高基準

38ドルのIPO価格に基づくフェイスブックの時価総額はインター ネット検索大手グーグル(2000億ドル強)の約半分。この時価総額はフ ェイスブックの3月末までの1年間の売上高の26倍、利益の約107倍と なる。売上高基準ではS&P500種のどの企業よりも割高となり、利益 基準では2社以外の全てを上回る。

グーグルの04年のIPOの規模はオーバーアロットメントを含めた ベースで19億ドルだった。IPO価格は85ドルで時価総額は約230億ド ルと、04年6月末までの1年間の売上高の約10倍だった。

フェイスブックはIPOでモルガン・スタンレーやJPモルガン・ チェース、ゴールドマン・サックス・グループなど30社余りの引受業者 を起用した。17日の発表資料によると、引受業者はフェイスブックと同 社株主からIPO後に追加で6320万株を買う権利を持つ。

16日のフェイスブックの情報開示によると、アクセル・パートナー ズは4900万株、ゴールドマンは2870万株の売却を目指していたほか、デ ジタル・スカイ・テクノロジーズは4570万株、タイガー・グローバル・ マネジメントは2340万株、フェイスブックの幹部・取締役は1億8940万 株をそれぞれ売り出す計画だった。

割高感

事情に詳しい複数の関係者によると、一部の機関投資家はフェイス ブックの成長性を懸念してIPO株購入を見送った。フェイスブックの IPO価格は、株価売上高比率がS&P500種構成銘柄を上回る水準と なったものの、IPO説明会ではザッカーバーグCEOが07-11年に24 倍に急拡大した売上高の勢いを今後どう維持していくかとの質問が出 た。

同社の3月末までの1年間の売上高は40億ドルを超えた。調査会社 Eマーケターによると、売上高は12年に64%増加し、61億ドルに上る見 込みだが、増収率は3年連続で鈍化する見通し。

--取材協力:Sarah Frier.

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