かんぽ生命は国債投資40%減額、地方債・社債に振り向け-運用計画

日本郵政グループ傘下で国内生保 最大のかんぽ生命保険は2012年度の運用計画で、国債購入を前年度に 比べて40%減額する一方で、地方債・社債への積極投資を行う。国債 利回りの低下で、より高い収益の確保を目指す。

渡辺満也運用企画部担当部長は17日のインタビューで、今年度の 運用方針について、「低金利で運用難の中、国債に対し、わずかながら も超過収益が稼げる地方債や社債への投資を増やす」と述べた。11年 度末の地方債残高は10年度末比で24.3%増加、社債は同2.3%増。

今年度の債券投資額は、前年度比1兆8930億円減少の5兆1670 億円を計画している。国債投資は同2兆1330億円減の3兆1270億円。 地方債と社債への投資は、同900億円増加の1兆8400億円を振り向け る。外国債は同1500億円増の2000億円。

渡辺氏は、国債運用額の減少について、「今年度は、昨年度と比較 して償還などが少なかったため運用可能額が減少した。こうした中で、 地方債・社債を買う分、国債が減っている」と説明した。

一方、外国債については、「流動性の高い米国債を中心に購入する 予定。昨年度は入れ替え売買や償還などで残高が1000億円程度減った。 今年度はその回復分も含めて購入を計画した」と語った。

欧州の債務問題に関しては、「ギリシャはユーロ圏から離脱しない ことを前提に見通しを変更していない。しかし、離脱する可能性が高 まれば、運用計画を変更する必要がある。ユーロ債はほとんど持って いない」と述べた。

野村証券が算出している指数によると、事業債(金融を除く社債) の国債に対するスプレッドは16日、58ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)。同証券指数に基づく地方債のスプレッドは、9bpと 昨年7月7日から横ばいで推移している。

国債購入は20年債中心

今年3月末時点の資産残高は92兆5690億円で、運用資産に占め る債券比率は80.6%。国債は全体の64.8%を占め59兆9621億円。地 方債は8.4%の7兆 7779億円。社債は6.7%の6兆2284億円。外国 債券は0.7%の6186億円。一方、金銭の信託を通じて行う国内株式投 資は全体の0.3%で2427億円。

運用資産の6割強を占める国債投資については、ALM(資産・ 負債の総合管理)に基づき、超長期債を中心に買い進める方針。渡辺 氏は、「発行額の多い20年債を中心になるだろう。短いゾーンの金利 低下が長いゾーンへ影響するのか、利回り曲線がフラットニング(平 たん化)するかを見極めたい」と語った。

同社の11年度の運用利回りは1.66%で、10年度の1.64%から改 善した。米バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのグロー バル・ボンド・インデックス(指数)によると、11年度の日本国債の リターン(収益率)はプラス3.1%だった。

追加緩和は7、8月か

日本銀行の金融政策で付利(超過準備預金金利0.1%)引き下げ 観測が浮上していることに対しては、「これまで守ってきたところなの で、効果を分析した上で、目的に合うのなら決定すると思う」と指摘。 「追加緩和を行うとしたら、7、8月。国債買い入れ年限を3年まで 伸ばし、残存2-3年ゾーンに需要が集まっている。ある程度は、緩 和強化策の効果を見る期間が必要」とも述べた。

長期金利の指標となる新発10年債利回りは、0.8-1.2%を中心に 推移すると予想。「中短期ゾーンは日銀の金融緩和強化により低位安定 的に推移し、長期や超長期債利回りは内外景気指標や欧州財政問題な どを材料に多少の変動はあると思われるが、基本的には低水準が続く」 との見方を示した。

かんぽ生命の2012年度の相場見通し
長期金利        0.8-1.2%
日経平均株価    8000-1万1000円
米国10年債        1.6-2.6%
ドル/円           75-85円
ユーロ/円         90-115円
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