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米国債:10年債利回りが過去最低付近-経済指標や欧州危機で

米国債市場では、10年債利回りが昨 年9月に付けた過去最低付近まで下げた。米経済指標で景気回復の腰折 れが示唆されたことが手掛かり。また、欧州の債務危機深刻化への懸念 から安全資産を求める動きも続いた。

10年債利回りは一時1.6886%に低下。これは、9月23日に1.6714% を付けて以来最も低い水準。米格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスは、スペインの銀行の格下げを発表。一方スペイン政府 は、同国の銀行バンキアで大量の預金が引き出された事実はないと説明 した。米財務省はこの日、10年物インフレ連動債(TIPS)の入札 (発行額130億ドル、銘柄統合)を実施。最高落札利回りは、過去最低 のマイナス利回りとなった。

パイオニア・インベストメンツのバイスプレジデント、リチャー ド・シュランガー氏(ボストン在勤)は、「欧州発のニュースは切迫度 を増し続けている。今朝発表の米経済指標も一部は期待外れな内容だっ た」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.70%。同年債(表面利率1.75%、2022年5月償 還)価格は18/32上げて100 15/32。

30年債利回り11bp下げて2.79%。一時2.78%と、12月19日以来の 低水準を付けた。

「力強い需要」

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「期間が長めの国債の 利回りが大幅に低下したことからも明らかなように、米国債には質への 逃避からくる力強い需要があるようだ」と分析した。

ニューヨーク連銀はこの日、オペレーション・ツイスト(ツイスト オペ)の一環として、2036年2月から41年11月に償還期限を迎える国 債18億4000万ドルを買い入れた。

また米財務省は、発行総額990億ドルの国債入札を来週実施すると 発表した。内訳は2年債(発行額350億ドル)、5年債(同350億ド ル)、7年債(同290億ドル)。

この日実施された10年物TIPS入札では、最高落札利回りはマイ ナス0.391%。入札直前の市場予想はマイナス0.329%だった。これまで の過去最低は、前回入札(3月22日)で記録したマイナス0.089%。

インフレ期待

投資家のインフレ期待を示す10年債と同年限のTIPSとの利回り 格差(ブレークイーブンレート)は2.04ポイントと、1月23日以降で最 小を付けた。過去10年間の平均は2.15ポイント。

現在の5年後から5年間のインフレ期待を反映するブレーク・イー ブン・インフレ率(フォワードBEI)は16日に2.50%と、2カ月ぶり 低水準となった。3月19日には2.78%を付けていた。フォワードBEI は、FOMCが金融政策策定の際に役立てている。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した4月の米景気先 行指標総合指数(LEI)は前月比で0.1%低下した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.1%上昇だっ た。前月は0.3%上昇。

またフィラデルフィア連銀が17日発表した5月の同地区製造業景況 指数はマイナス5.8と、前月の8.5から低下し、昨年9月以来の低水準と なった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想 中央値は10だった。同指数はゼロが拡大と縮小の境目を示す。

原題:U.S. 10-Year Yields Approach Record Low on Economic Data, Europe(抜粋)

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