NY外為:ユーロが続落、欧州危機の波及を懸念-円は上昇

17日のニューヨーク外国為替市場で はユーロが続落。スペインの入札では発行額が目標上限にほぼ届いたも のの借り入れコストが上昇、ユーロ圏内の金融危機がギリシャから波及 しているとの懸念が強まった。

ユーロは主要通貨の大半に対し軟調に推移。格付け会社フィッチ・ レーティングスはギリシャの信用格付けを「CCC」と、従来の「B -」から1段階引き下げたと電子メールで発表した。ユーロ圏に残留で きないリスクが高まっていることを理由に挙げた。

円は対ドルで上げ幅を拡大。米国の新規失業保険申請件数が前週か ら変化せず、フィラデルフィア連銀管轄地区の製造業活動は5月に縮小 に転じた。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は、「政治面で欧州の今後には多くの不透明感があ る。投資家はその不透明感を取引している。つまりリスクの高い資産価 格が下落することを意味する」と述べ、「米国の景気には強弱混在の兆 候が見られることから、ドル・円相場にはやや向かい風となっている」 と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.1%安の1ユ ーロ=1.2698ドル。一時は1.2667ドルと、1月17日以来の低水準に下げ た。ユーロは対円では1.4%安の1ユーロ=100円68銭。一時は100円56 銭と、2月7日以来の安値に下げた。円は対ドルで1.3%上昇して1ド ル=79円28銭。79円14銭と2月17日以来の高値まで上昇する場面もあっ た。

スペイン入札

スペインの入札結果によると、2015年1月償還債の平均落札利回り は4.375%となった。4月に実施した前回入札では2.89%だった。15年 7月償還債の平均落札利回りは4.876%と、5月3日実施の前回入札 の4.037%から上昇。16年4月償還債の利回りは5.106%。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場ではスペイン債 を保証するコストが過去最高に上昇した。ブルームバーグのまとめたデ ータによると、スペイン債のCDSスプレッドは13ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇して553となった。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはサンタン デール銀行などスペインの銀行16行の格付けを引き下げた。景気の弱さ と政府の債務負担の増大を挙げている。ムーディーズは14日にイタリア の銀行26行を格下げし、2月13日にスペインの格付けを引き下げてい た。

ギリシャのユーロ離脱観測

ギリシャのユーロ離脱観測が高まり、欧州の高債務国の借り入れコ ストは上昇している。ギリシャの再選挙は6月17日に実施される。

欧州中央銀行(ECB)は一部のギリシャ市中銀行への流動性供給 を一時的に見送る意向を示した。ドラギ総裁は16日、ギリシャをユーロ 圏にとどめるためにECBが原理原則を曲げることはないと示唆した。 同総裁はギリシャ残留を「強く選好する」と述べた上で、ECBは引き 続き、条約の定めるところに沿って、「バランスシートの完全性の保持 という与えられた責務を遂行する」と言明した。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブリ アコフ氏(ニューヨーク在勤)は、「短期的な投機ポジショニングはす でにかなりユーロに対してショートとなっている。トレンドに代わりは ないだろうが、そのペースは減速する可能性がある」と述べ、「ユーロ は下げているが、その度合いはかなり漸進的だ」と続けた。

商品先物取引委員会(CFTC)が発表したヘッジファンドなどの 大口投資家による建て玉明細によると、8日に終了した週にユーロのシ ョートポジションは14万3984枚。今年1月には過去最高の17万1347枚だ った。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.2%上昇して81.5。同指数は14日連続で上昇してしている。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から横ばいの37万件。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値は36万5000件だった。

フィラデルフィア連銀が発表した5月の同地区製造業景況指数はマ イナス5.8と、前月の8.5から低下した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト調査の予想中央値は10だった。同指数はゼロが拡大 と縮小の境目を示す。

原題:Euro Falls to 4-Month Low on Concern Europe’s Crisis Spreading(抜粋)

--取材協力:Mariko Ishikawa.

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