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「金環日食」迫る、観察グッズに特需-東京は173年ぶり

太陽の手前を月が横切るため光が輪 のように見える金環日食が21日朝、日本列島各地で観測される。東京な ど関東圏では173年ぶり。天体ショーを前に、観察グラスや書籍など関 連商品に特需が発生している。

国立天文台(NAOJ)のサイトによると、金環日食の観測は九 州・四国・近畿・中部地方の南部や関東地方などで可能。東京では、午 前7時31分に始まって、34分に最大となり、37分に終わる。NAOJ広 報普及室の内藤誠一郎氏によると、関東圏で前回観測できたのは1839年 9月8日、次回は300年後の2312年4月8日になる。気象庁のウェブサ イトによると、21日の東京地方の天気予報は「曇り時々または一時晴 れ」。

天体望遠鏡や双眼鏡を製造するビクセン(埼玉県所沢市)は金環日 食に向けて、小売価格で平均約1500円の日食グラスを200万枚生産し た。九州南部のトカラ列島や屋久島、種子島で皆既日食が見られた2009 年に生産した70万枚の3倍近くに当たる。

ビクセン企画部の岩城朱香氏は、日食グラスの増産について「小惑 星探査機はやぶさの映画が春先に公開された効果もあり、幅広い地域で 観察ができる今回の金環日食など、宇宙関連の現象に興味を持つ人が増 えている」と述べた。

書店の丸善では丸の内本店に金環日食の特集コーナーを設けてい る。金環日食で特集号や増刊号を組む出版社が多く、理工書担当の新井 健太郎氏によると、関連書籍の売れ行きは好調で、科学雑誌ニュートン の別冊は売り切れで追加注文中。丸善で扱っている日食グラスも、比較 的安価な300円台のものは品切れになったという。

安全

日本天文協議会の金環日食日本委員会の資料によると、理科・天文 教育に関心の高い小・中・高・大学など67校を調査したところ、観察の ため43%が全校または希望者の登校時間を早める。委員会では、登校時 の不用意な観察による目への障害や交通事故について警鐘を鳴らしてい る。

日本眼科学会もサイトで、視力が低下しかねない日食網膜症になら ないように、観察に際しては太陽を直接見ないように呼び掛けている。 日食グラスなどを使い、通学途中での観察も避けるよう注意を促してい る。

NAOJによると、今回の金環日食は、中国南東部の海岸から始ま り台湾北端、日本各地と太平洋北部から米西海岸に達し、米南部中央で 終わる。次回の金環日食は関東圏では24世紀になるが、北海道では18年 後の2030年6月1日に見られる。

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