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ユーロが値を戻す、売られ過ぎ感で下値限定-ドルは80円前半

東京外国為替市場では、ユーロが午 後の取引終盤で伸び悩んだ。ギリシャでは来月の再選挙が決定し、情勢 を見極めたいとの姿勢からユーロの下値を攻める動きはいったん鈍化し たものの、債務問題をめぐっては依然として楽観ムードは醸成されにく く、ユーロの戻りも限定的となった。

大和証券投資情報部担当部長の亀岡裕次氏は、ユーロはかなり売り 進まれてきており、独仏首脳会談でギリシャをユーロ圏に留めておこう という感じの姿勢が見えたということは「多少プラスに効いた」感があ ると指摘。ギリシャの再選挙までに、緊縮財政をめぐって欧州当局との 間で、「どれぐらい歩み寄るか」が一つのポイントになるとし、ユーロ は上下方向の「綱引き」が続くとみている。

ユーロの相対力指数(RSI、14日間)は対ドル、対円ともに売ら れ過ぎを示す30を下回る水準で推移しており、ユーロ・ドル相場は朝方 に付けた1ユーロ=1.2712ドルを下値に、午前の取引で一時1.2749ドル まで上昇。しかし、午後にかけては1.27ドル台前半で伸び悩みとなり、 午後4時7分現在は1.2718ドル付近で取引されている。

ユーロ・円相場は1ユーロ=102円09銭を下値に102円39銭まで上振 れする場面も見られたが、午後は102円台前半で上値が抑えられた。

一方、ドル・円相場は海外市場で、一部米経済指標の好調を背景に 一時1ドル=80円55銭と、3日以来の水準までドル高・円安が進行し た。しかし、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容を受けた追 加緩和観測でドル買いも続かず、東京市場では80円40銭を上値、80円25 銭を下値としたレンジ内で推移。同時刻現在は80円33銭付近で取引され ている。

ギリシャ情勢めぐる不安根強い

政局の混迷が続くギリシャでは再選挙の日程が6月17日になる見通 しで、今月16日には暫定政権の首班が決定。次回選挙では6日の総選挙 で第2党に躍進した緊縮反対派の急進左派連合(SYRIZA)が得票 数を伸ばす可能性があり、国際支援の獲得が困難になるとの懸念から、 債務問題の先行き不透明感は根強い。

オーストリア紙クライネがインタビューを引用して伝えたところに よると、SYRIZAのツィプラス党首は、同国が財政緊縮プログラム に関して欧州連合(EU)などと再交渉する余地はあるとの見解を表 明。しかし、EUの行政執行機関である欧州委員会のバローゾ委員長は ギリシャ向け国際支援プログラムに関して、ユーロ圏各国は同国による 実施条件の「撤回」を容認しないと言明している。

一方、15日にベルリンで初の首脳会談を行ったメルケル独首相とオ ランド新仏大統領は共同記者会見で、EUも「提案を用意してギリシャ に接触する可能性がある」と発言。「ギリシャはユーロ圏にとどまるこ とは可能だ」とし、「ギリシャ国民は、まさにその可否を投票で決する ことになろう」と述べた。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、来月の再 選挙までは、ギリシャと欧州当局の間で、「軟着陸できるかというとこ ろをずっと探っていくような形になる」と指摘。ギリシャでは SYRIZAが第1党に躍り出るという観測が強いが、国際支援が受け られる形に同党自体の意見が変わってくれば、「ユーロの売りが弱まっ てくる可能性がある」という。

一方、16日の米国市場では、4月の住宅着工件数と鉱工業生産指数 が市場の予想を上回るなど経済指標の好調を受けて一時株高・債券安と なる局面も見られたが、FOMC議事録(4月24-25日開催分)の内容 が伝わると、相場が反転する格好となった。

FOMC議事録によると、メンバー数人が、成長の勢いが失われた り、景気見通しへのリスクが増大した場合には、回復への軌道を維持す るため追加的な行動が正当化され得るとの認識を示した。

ジェルベズ氏は、米金融政策については、ゼロ金利の解除時期をめ ぐる観測が手前にシフトしてドル買いにつながっていた局面もあったの で、FOMC議事録の内容を受けて、その分の修正が入ったと指摘。 「ドルを積極的に買う理由もない」と付け加えた。

--取材協力:小宮弘子 Editors: 持田譲二, 青木 勝

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