債券反落、高値警戒や株高で売り優勢-5年入札予想通りも午後一段安

債券相場は反落。前日までの相場 上昇で、市場では高値警戒感が出ており、売り優勢の展開となった。 午後発表の5年国債入札結果は事前予想通りで無難だったが、相場の 押し上げ要因にはならず、株高もあって取引終盤には売りが膨らんだ。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は債券相場について、「先物や中期ゾーンを中心にいったん利益確定売 りが出ている」と指摘。投資家は4月後半以降に債券残高を積み増し、 当面は押し目買いで対応するとも言う。一方、欧州の債務問題への懸 念が再燃すれば買いが優勢となり、10年債利回りは節目の0.82%を下 回るとの見方も示している。

東京先物市場で中心限月6月物は、前日比2銭安の143円47銭で 始まり、直後に1銭高まで上昇したが、再び売りが増えると水準を切 り下げた。午後に入ると一段安となり、結局は24銭安い143円25銭 ときょうの安値で引けた。前日には一時143円56銭まで上昇し、中心 限月の日中で2010年10月以来の高値を付けていた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の322回債利回り は同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.825%で始まり、その後も徐々 に水準を切り上げ、午後3時前には2.5bp高い0.845%に上昇した。 前日は0.82%まで低下して、10年10月6、7日に付けた03年以来の 最低水準に並んだ。

20年物の135回債利回りは一時1.595%を付ける場面もあったが、 午後3時前後から2bp高い1.615%に上昇。30年物の36回債利回り は1.5bp低い1.755%と、10年10月以来の低水準を付けたが、午後に 入ると0.5bp高い1.775%と上昇に転じている。

みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、 5月の大型連休以降、高値圏で日替わり状態となり、国債入札日に調 整が入るパターンが続いていると指摘。「きのう10年債利回りが

0.82%、20年は1.6%を割り込み達成感もあった」とも話した。

5年債入札、最低価格予想と一致

財務省がこの日実施した5年利付国債(5月発行、104回債)の 入札結果によると、最低落札価格は99円88銭と事前予想と一致。小 さければ好調とされるテールは1銭となり、前回と同水準。投資家の 需要の強さを示す応札倍率は3.22倍と、前回の3.76倍を下回った。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、5年債入札について、「市場の予想通りで無難な結果だった」 と指摘。もっとも、相場の上値が重いことについては、前日に大きく 上昇した反動の売りが出ているためと説明した。

今回の同入札について、市場で不安視する見方は出ていなかった。 野村証券の松沢中チーフストラテジストは、安定的にキャリー(金利収 入)を稼ぐために購入する水準や環境ではないとしながらも、「ギリシ ャ再選挙までは欧州債務危機、日銀緩和観測が弱まることは考えづら く、これを原動力に短期の値上がり益を狙う資金が入ってくるだろう。

0.10%割れで過熱感が高まる2年ゾーンからのシフトも見込まれる」 と分析していた。

日本相互証券によると、きょう入札された5年物の104回債利回 りは業者間取引では0.23%で寄り付いた。いったん0.225%まで下げ たが、その後は0.235%で推移している。

こうした中、朝方発表された1-3月期の実質国内総生産(GD P)1次速報値は実質で前期比1.0%増、前期比年率では4.1%増のプ ラス成長となった。ブルームバーグ調査では0.9%増、年率3.5%増だ った。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「ほぼ 予想通りであまり相場の材料にはならない」と話した。

--取材協力:池田祐美 Editors:山中英典、青木勝

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