1-3月期GDPは3期連続プラス-消費と復興需要が寄与

1-3月期の実質国内総生産( GDP)1次速報値は前期比年率で4.1%増と、3期連続のプラス成長 になった。プラス幅は事前の市場予想を小幅ながら上回った。個人消費 が堅調だったことに加え、復興需要の本格化による公共投資が全体を押 し上げた。

内閣府が17日発表した同期のGDP1次速報値は物価変動の影響を 除いた実質で前期比1.0%増となった。GDPの約6割を占める個人消 費は同1.1%増で、公共投資も同5.4%増加。設備投資は同3.9%減少し た。ブルームバーグ・ニュースによる事前調査の予想中央値は、前期比 が0.9%増、年率換算では3.5%増だった。

GDPをどれだけ増加させたかを示す寄与度でみると、国内需要 (内需)はプラス0.9ポイント。財貨・サービスの輸出から輸入を差し 引いた純輸出(外需)はプラス0.1ポイントにとどまった。

昨年10-12月期はタイの洪水など一時的な押し下げ要因の影響もあ りほぼゼロ成長にとどまったが、1-3月は個人消費の堅調さや公共投 資の増加により大幅なプラス成長となった。もっとも、足元では欧州の 政府債務問題をめぐる緊張から再び為替が円高で推移しているほか、世 界的に株価が神経質な展開となるなど、先行き不透明感も残っている。

野村証券の木内登英チーフエコノミストは個人消費と公共投資が 「高成長を主導」したと指摘。個人消費の好調は「エコカー補助制度の 影響によるところが大きい」が、それに加えて「旅行、外食などで、震 災後の自粛の反動増が生じた」と考えられるという。公共投資も震災か らほぼ1年が経過した段階で「ようやく復興関連の公共工事が本格化し た」としている。

GDPデフレーターは引き続きマイナス

古川元久経済財政担当相はGDP発表後に談話を発表し、景気は 「上向きの動きが続いている」と指摘。4-6月期以降についても「復 興需要が景気を下支えすることから、緩やかな成長が続くと見込まれ る」としている。

生活実感により近いとされる名目GDPは、前期比1.0%増(年率 換算4.1%増)。総合的な物価指標であるGDPデフレーターは前年同 期比1.2%低下だった。

日本銀行は先月27日に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポー ト)で、景気の先行きについて「新興国・資源国にけん引される形で海 外経済の成長率が再び高まり、また、震災復興関連の需要が徐々に強ま っていくにつれて、2012年度前半には緩やかな回復経路に復していく」 と指摘。12年度はプラス2.3%、13年度はプラス1.7%との見通し(委員 の中央値)を示した。

内需に自律的な動きも

日本銀行の前田栄治調査統計局長は14日のブルームバーグ・ニュー スとのインタビューで「昨秋ころから外需が鈍化し、公共投資もまだ増 加してなかった割には、国内の民間需要は思いのほか堅調に推移してき た」と指摘。国内民間需要について「自律的な要素があるように感じて いる」と述べた。

しかし内外ともに懸念材料もある。みずほ証券の上野泰也チーフマ ーケットエコノミストは「海外のリスク要因が多い」と指摘。国内も 「エコカー補助金が予算切れになった後に予想される新車販売台数の反 動減、11年度第3次補正予算で計上された多額の公共事業を含む復興需 要の景気押し上げ効果がいずれ一巡すること、夏場の電力不足問題な ど、留意しておくべきリスク要因がいくつかある」としている。

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