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スカイツリー:ガガも絶賛,東武はディズニー超の集客期待-22日開業

東武鉄道グループが完成させた新名 所、「東京スカイツリータウン」が22日に開業する。「東京スカイツリ ー」とそれに隣接する複合商業施設などからなる同タウンの集客数は東 京ディズニーリゾートを超えると見込んでおり、東京の下町、墨田区に 巨大な行楽地が誕生する。

東京スカイツリーの高さは、タワーとしては世界1位となる634メ ートル。600メートルの中国の「広州タワー」を抜き、ギネス世界記録 に認定された。建築物の中では、アラブ首長国連邦の超高層ビル「ブル ジュ・ハリファ」の828メートルに次いで世界2位を誇る。

デジタル放送用アンテナの電波塔として建てられたスカイツリーに は高さ350メートルの第1展望台と450メートルの第2展望台がある。全 長が333メートルの東京タワーをはるかに超えた高さで東京の街を眼下 に360度一望できる。そのほかにもレストランやカフェ、ショップを備 えている。

隣接する商業施設の「東京ソラマチ」の面積は約5万2000平方メー トル。東武百貨店をはじめファッション、雑貨などの専門店や飲食店な ど計312店と首都圏では最大規模の店舗数が軒を並べる。また、オリッ クス不動産が運営する水族館やコニカミノルタのプラネタリウムが併設 されているのも大きな魅力だ。

東武鉄道の財務担当、平田一彦取締役は、スカイツリータウンの年 間来場者の見込みは「開業から1年で3200万人を想定している」と述べ た。うち、初年度は2750万人を見込んでいるという。集客力は、東京デ ィズニーリゾートの11年度の2535万人を超え、国内で最大級になる。

東京スカイツリータウン開業広報事務局の青柳健司事務局長補佐は 「六本木や渋谷と違い、特定の年齢層やファッションなどのジャンルに こだわらず、誰もが訪れたくなるような魅力的な施設や店舗をそろえて いる。日本で1番と言われる商業施設を目指したい」と語った。

販売・予約は100万人

実際、オープン前から人気が高く、展望台入場料は第1展望台が大 人1人2500円、第2展望台にはさらに1000円が必要だが、入場チケット の販売・予約は5月7日現在で約100万人に上り、チケットの入手は困 難な状態が続いているという。

日本公演で来日していた、米人気歌手レディー・ガガが15日夜、東 京スカイツリーを訪れ、350メートルの展望デッキで「こんなに美しい 景色はみたことがありません」と述べて、最後に日本語で「アイシテマ ス、ジャパン」と日本のファンに向けてコメントした。

この人気を最大限に生かそうと、東武鉄道はあらゆる企業努力を続 けている。東京スカイツリータウン開業にあわせ、玄関口となる業平橋 駅の駅名を「とうきょうスカイツリー駅」に改称するとともに、特急列 車の一部停車を開始したのも、そのひとつだ。

さらに、伊勢崎線浅草・押上駅-東武動物公園駅間の路線愛称を 「東武スカイツリーライン」として多くの人に親しまれるようにネーミ ングに工夫を凝らしている。

タウンのシンボリックな施設のひとつとなる「すみだ水族館」を運 営するオリックス不動産の三坂伸也水族館事業部長は会見で「地域に根 ざした水族館を進める」とし、初年度から黒字化を目指していきたいと 述べた。

同水族館の田海雅彦支配人は、初年度目標は175万人として、「何 度でも、会社帰りなどに気軽に利用していただける施設にしたい」と語 った。国内最大級の屋内開放水槽では、間近でペンギンやオットセイを 見ることができる。大水槽では、東京諸島の海をテーマとして小笠原諸 島の海を再現している。

初年度から利益貢献も

東武鉄道の中嶋直孝専務は、「かなりマスコミに好意的に取り上げ られ」、宣伝効果は「予想以上に成功している」と述べた。収益への寄 与についても「スカイツリーは赤字で出発すると見ていたが初年度から 利益貢献ができそうだ」と語る。数年で日本人の需要は頭打ちになると して、外国人の訪問も見込んでいる。外国人が多く訪れる浅草の近くに 位置していることもツリーとタウンの大きな強みだと指摘した。

バークレイズ・キャピタル証券の姫野良太シニアアナリストは、 「少子高齢化の影響で沿線人口はどんどん減っている。鉄道会社の課題 は沿線の魅力を如何に高めるかであり、東武のアプローチは評価でき る」という。東武の経営戦略について「墨田区の人口は増加しており、 地域の魅力が高まっているので、これまでのところ企業価値の向上に成 功している」と語った。

東武のほかにも鉄道各社は沿線の開発に取り組んでいる。東京急行 電鉄は同グループの本拠地である渋谷の都市再開発を手掛け、働く女性 をターゲットに商業施設と劇場、オフィスなどを整備した「渋谷ヒカリ エ」を4月に開業した。同社は年間1400万人の来場を目指す。

JR東日本も、東京駅周辺の整備を急ぐ。東京駅丸の内駅舎の復元 工事を進めているほか、東京ステーションホテルを10月にリニューアル オープンする予定。八重洲口でも百貨店を増床するグラントウキョウノ ースタワーの2期工事が進行中で、駅前広場の整備も行っている。

東武鉄道が5月11日に発表した、今期(13年3月期)連結業績予想 では売上高が前期比5.1%増の5710億円、営業利益が同15%増の375億 円、純利益が同12%の180億円としている。

鉄道事業にも恩恵

平田取締役は会見で、スカイツリータウンに足を運ぶ東武線利用者 は320万人で、運賃収入は13億円と見ていると述べる。また、スカイツ リータウンとしての収入は201億円、東武グループとして電車や飲食サ ービスなどのスカイツリー関連で82億円として初年度にはスカイツリー 効果で売上高は計283億円の増加になるとした。

昨年駅周辺でカフェをオープンした「シネマッドカフェ」のオーナ ー、齋藤尚之氏(56)は「日本として震災復興をイメージさせるシンボ リックなタワーがここにできたことは、墨田区で生まれ育った者として 正直うれしい。また、タウンの完成による経済効果へも期待している」 とコメントする。

東武グループとしての設備投資額は、スカイツリーに600億円、タ ウンに780億円で合計1380億円。墨田区が2007年に調査したタワー関連 の全国への総合経済波及効果は3346億円、また東京への効果は2298億円 と試算している。東京の新たな観光資源として大きなプラス効果も期待 ができる。

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