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資源ナショナリズムと国内業界は警戒、インドネシアのニッケル禁輸

ニッケル鉱石の日本の最大の輸入先 であるインドネシアが未加工の鉱石輸出を6日から停止すると表明した ことを受けて、住友金属鉱山など国内のニッケル製錬メーカーは原料調 達先確保の対応に迫られている。ステンレス鋼の主原料となるニッケル の関連業界からは、鉱石の輸出禁止は資源ナショナリズムの動きとして 影響を懸念する声が強まっている。

「船会社からは荷役自体は止まったと聞いている」。実際に禁輸が 始まったのかは不明としながらも、住友鉱の肥後亨・ニッケル営業・原 料部長は15日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューでこう述べ た。インドネシアからの鉱石調達ができなくなった場合、「代替として フィリピンやニューカレドニアからの調達を増やす」と言う。

インドネシア政府は今年2月、加工・精錬を施さない鉱石の輸出を 禁止する大臣令を施行。今月6日から鉱石の禁輸を実施するとしていた のを受けて、ワチック・エネルギー・鉱物相は3日の記者会見で銅や 鉛、ニッケル、金など14種類の鉱石の禁輸を行うとあらためて表明し た。

日本にとって最も大きな影響を受けるのがニッケル。財務省の貿易 統計によると2011年のニッケル鉱石の年間輸入量365万トンのうちイン ドネシアは195万トンと全体の53%を占め依存度が高い。

ニッケル鉱石は鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルの原料。 フェロニッケルは建材向けなどに使用されるステンレス鋼の主原料とな り鉄鋼会社が需要家だ。

日本鉱業協会と日本鉄鋼連盟などは共同で「インドネシアが輸出禁 止を実施すればフェロニッケル業界とその需要産業である鉄鋼業界をは じめ重大な影響を及ぼす」などとするコメントを先月26日に発表。「こ うした行き過ぎた資源ナショナリズムの動きが他国にも波及すれば、資 源小国である我が国経済にさらに大きな影響を与える」としてインドネ シアに禁輸撤回を働きかけるよう枝野幸男経産相に求めた。

ただ、実際に禁輸が始まったのかは不透明な状況。国内フェロニッ ケル最大手の大平洋金属・総務部の楢館晃輔副長によると、同社はイン ドネシア政府の資源政策でどのような影響が出てくるのか現地駐在員な どを通じて情報を収集中。日本冶金工業も注意深く推移を見守りながら 情報収集を続けているという。

実際に鉱石輸出が禁止された場合の国内ニッケル製錬各社への影響 について、大和証券の西川周作アナリストは「インドネシア以外の供給 ソースや在庫で対応するとみられるが、禁輸が長引いた場合にはフェロ ニッケルの減産につながる可能性はある」と指摘している。

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