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インドの五輪水泳選手、公共プールで練習-ミタル氏らが支援

インド南部のバンガロールにある公 共プールは浮輪を付けた幼児や飛び込みを楽しむ10代の若者たちであふ れている。そんな中、同国代表としてロンドン五輪に出場する水泳選手 2人が人生最大のレースに備えていた。

このプールの料金は38セント(約30円)。暑さをしのごうと地元の 人々400人以上が毎日訪れる。目印で分けられたレーンでエリート選手 たちが練習に励む。プールの水は緑色に濁っている。更衣室もなく、た った一人のコーチがストップウオッチを手にタイムを計る。

「政府は、水さえあれば水泳競技で好成績を挙げられると思ってい る。政府がスポーツについて真剣に考え始めなければ変化を望むのは難 しい」。100メートル自由形のインド記録保持者、バードハワル・カー デ選手(20)はそう指摘する。同選手は7月から始まるロンドン五輪で インドチームを率いる予定だ。

インドではクリケットが盛んだ。1920年以降、21回開催された夏季 五輪でインドが獲得したメダルは18個にとどまり、その半数以上が男子 フィールドホッケーだった。2008年の北京五輪での獲得数は国民一人当 たりで換算すると最下位。インドは主要新興国の中で最大規模の財政赤 字の削減に苦慮しており、政府の資金は不足している。このため、資産 家で鉄鋼生産世界最大手、アルセロール・ミタルのラクシュミ・ミタル 会長やリライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長がト レーニングや器具購入の資金提供に乗り出し、より多くのインド人がロ ンドンで表彰台に立てるよう支援している。

応援不足に失望

世界2位の人口を抱えるインドの経済は過去20年間に5倍に拡大し た。ロンドン五輪を控えた1年4カ月間に同国が支出した選手支援費用 は4810万ドル(約38億6000万円)。一方、中国は北京五輪までの10年間 に毎年4億5000万ドルをスポーツ支援に投じ、同五輪では100個のメダ ルを獲得した。個人競技でロンドン五輪出場資格を持つインド人選手54 人のうち約半数が何らかの形で企業からの支援に頼っている。

インド有数の資産家であるアンバニ氏とミタル氏の資金援助プログ ラムでは、選手が個人トレーナーや栄養士、心理カウンセラーのほか、 通常では手の届かない最新式の器具などにアクセスできる。インド最大 の企業グループで英ジャガー・ランドローバーを保有するタタ・グルー プはアーチェリーの訓練施設を運営。コンピーターソフト輸出会社、イ ンフォシスは運動競技の学校を支援している。

ミタル氏は04年のアテネ五輪で母国選手への応援が足りないことに 失望し支援を決意。ロンドン五輪で成果を残せるよう1000万ドルの支援 を約束した。

ミタル氏は3月末の記者会見で「今大会でインド人は最高の競技を 見せてくれるはずだ。選手たちは過去4-5年間、懸命にトレーニング に励んできた。何としてもメダルを幾つか持ち帰ってくれるだろう」と 語った。

原題:Mittal Rescues India Olympics as Swimmers Train in Public Pools(抜粋)

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