ユーロが対ドルで4か月ぶり安値、ギリシャ政局混迷で1.27ドル割れ

東京外国為替市場ではユーロが対ド ルで1ユーロ=1.2700ドルを割り込み、約4カ月ぶり安値を更新した。 ギリシャでは連立政権樹立に向けた交渉が決裂し、来月にも再選挙が行 われる見通しとなった。同国のユーロ圏離脱リスクも含め、先行きに対 する懸念が一段と高まり、ユーロは対円でも一時3カ月ぶりに1ユーロ =102円を割り込んだ。

ユーロ・ドル相場は1.27ドル前半から一時、1.2681ドルまでユーロ 安が進行。1.2700ドル割れは1月17日以来で、同13日に付けた年初来安 値(1.2624ドル)に一歩近づいた。ユーロ・円も102円前半から一 時、101円91銭まで値を切り下げ、2月14日以来の安値を付けた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の北沢純シニアバイス プレジデントは、ユーロについて「戻りはあると思うが、ここでロング (買い持ち)にするのは怖い」と言い、「多少ショートカバー(買い戻 し)が入ったところではまた売りという回転になっている」と説明。ギ リシャ問題以外にも中国の景気減速懸念などがくすぶる中、「全体的に リスク資産を抑えていこうという動き」は変わらず、ユーロを「レベル 感だけで買い戻すのは危ない」と語った。

一方、ドル・円相場は米経済指標の上振れを背景に1ドル=80円台 を回復した海外市場の流れが継続し、ドル買いが先行。一時80円45銭と 今月3日以来のドル高値を付けた後は、同水準付近で高止まりの状態と なった。

ギリシャ、再選挙へ

ギリシャの政党指導者らは16日、再選挙日程を組む暫定政府につい て合意を目指す。同国では9日にわたる総選挙後の政権樹立に向けた協 議が決裂。再選挙は遅くとも4週間以内に実施する必要があるため、投 票日は6月10日か17日になる可能性が高い。

総選挙後の政治的な膠着(こうちゃく)は、2010年5月以来に交渉 された2回のギリシャ救済の条件である歳出削減の約束を同国が撤回 し、最終的にユーロ圏を離脱するとの懸念を高めている。世論調査では ギリシャ向け国際支援に反対する急進左派連合(SYRIZA)が再選 挙で第1党になる可能性が示唆されており、7月前半にも資金が枯渇す る事態を避けるための同国の取り組みが難しくなる恐れがある。

みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、再選挙までは 非常に不透明感が強く、緊縮反対派を中心とした政権発足など「リスク シナリオを相当意識した相場展開にならざるを得ない」と指摘。ギリシ ャのユーロ離脱の可能性も高まっていく見通しで、ユーロの下値を試す 動きも起こりやすいと話した。

こうした中、16日の欧州債券市場ではイタリアの10年債利回りが1 月31日以来初めて6%に上昇。ギリシャに対する不安が波及する形とな り、スペインとドイツの10年物国債の利回り格差はユーロ導入以来の最 大となっている。

一方、内外株安を背景に安全資産の日本国債が買われ、新発2年債 利回りは一時0.095%と2005年7月以来の水準に低下した。

ドル指数、過去最長の上昇局面

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル・インデックスは一時1月16日以来の水準となる81.57まで上昇。上 昇は13日連続で、1973年の同指数開始以来で最長の上昇局面となってい る。

三井住友銀行市場営業統括部の山下えつ子チーフ・エコノミストは 「全体的にリスクオフ(回避)の中、通貨の中ではドルが買われやすく なっている」と解説。その上で、ドル・円はユーロ・ドルにつれる形で ドル高方向に動いているが、「ユーロがもっと売られて、ユーロ・円も 円高に大きく動いていくと、いくら対ユーロでドルが買われてもドル・ 円も押される」とし、「結局、ドル・円は意外とあまり動かなかったと いうことになる」と語った。

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