TOPIXは4カ月ぶり安値、欧州警戒強まる-MSCI銘柄が活況

東京株式相場は、6日続落したT OPIXが約4カ月ぶりの安値を付けた。ギリシャの再選挙決定によ る欧州情勢の混迷が景気に悪影響を及ぼすと警戒され、輸送用機器や ゴム製品、精密機器など輸出関連株中心に安い。MSCI指数の銘柄 変更を受け太平洋セメントが急騰、ほくほくフィナンシャルグループ は急落するなど関連銘柄の売買は活発だった。

TOPIXの終値は前日比8.52ポイント(1.1%)安の738.88 で1月18日以来、日経平均株価は99円57銭(1.1%)安の8801円 17銭で同30日以来の安値水準に沈んだ。

しんきんアセットマネジメントの藤本洋主任ファンドマネジャー は、「ギリシャのユーロ離脱に加え、フランスの財政緊縮路線が変わる という懸念もある。欧州は不透明感が大きく、投資家はリスク回避に 動いている」と指摘。米国の景気回復ももたつき、中国の経済成長減 速もあり、「好材料に乏しい中、悪い材料に目が向くようになっている」 と話していた。

連立政権樹立に向けた主要各党の協調が失敗に終わったギリシャ では、早ければ6月10日にも再選挙が行われる。全ギリシャ社会主義 運動のベニゼロス党首は15日、「ギリシャは逆境の下で近日中に再び 選挙へと向かう」と述べた。一方、ドイツのショイブレ財務相はブリ ュッセルでの財務相会合で、ギリシャが救済条件を受け入れないなら、 ユーロ残留は「不可能。選挙では、どの候補もこれを有権者から隠し ておくことはできない」と強調した。

15日の欧州債市場では、債務不安を抱える国の国債利回りが上昇 し、スペインの2年国債利回りは13ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上げ4.13%、イタリアの2年国債利回りは21bp上げ

3.51%となった。ドイツの欧州経済研究センターが同日発表した5月 の独景況感指数は、期待指数が10.8と前月の23.4から下がり、昨年 11月以来で初めての低下となった。

ユーロ売り、アジア株下げる

為替市場ではユーロが売られ、日本時間16日のユーロ・円相場は 1ユーロ=102円台前半と、前日の東京株式市場終了時の102円60銭 付近と比べ円高・ユーロ安水準で推移。SMBC日興証券エクイティ 部の西広市部長は、ギリシャのユーロ離脱への見方が強まる中、「次は ポルトガル、スペインと思惑が拡大する。株式市場は不透明な状況を 最も嫌気する」と言う。

欧米株安の流れを引き継ぎ、きょうの日本株は朝方から自動車な ど輸出関連株中心に売りが先行。東証1部の株価純資産倍率が0.94 倍と、1倍を下回る割安感から一時下げ渋る場面もあったが、韓国総 合株価指数、香港ハンセン指数がそれぞれ3%急落するなどアジア株 下落が投資家心理を一層悪化させ、午後の日経平均は先物主導で144 円安まで売り込まれた。

リスク回避で株安傾向が鮮明になる中、債券市場では10年物新発 国債利回りが一時0.825%と2010年10月以来の水準に低下。市場で の国債需要の強さを映すように、日本銀行が午前に実施した資産買い 入れ等基金の国債買い入れオペで、応札額が予定額を下回る札割れが 初めて起きた。債券先物の上昇基調も強まっており、対照的に株式先 物には売りが出やすかった。

サンリオやニチイ学館急落、MSCI銘柄は明暗

東証1部33業種では輸送用機器、ゴム、非鉄金属、水産・農林、 パルプ・紙、精密、証券・商品先物取引、情報・通信、機械、銀行、 電気・ガスなど30業種が下落。医薬品など3業種は高い。

個別の材料銘柄では、サンリオが急落。2013年3月期の営業利益 は191億円を見込み、アナリスト予想の平均226億円を下回ったこと が嫌気された。先行投資負担などで今期営業減益を計画したニチイ学 館も大幅安。これに対し、13年3月期の純利益予想が5000億円とア ナリスト予想の平均3778億円を上回ったみずほフィナンシャルグル ープは上げた。今期増益見通しを受け、野村証券やJPモルガン証券 が強気の投資判断を維持したSMCも高い。

一方、世界の機関投資家が運用成績を比較するベンチマークとし て使うMSCI指数の四半期ごとの定期銘柄入れ替えが日本時間16 日早朝に発表された。スタンダードインデックスに新規採用された太 平洋セメ、阪急阪神ホールディングスが急伸。また、外国人投資可能 浮動株比率(FIF)の変更も行われ、大塚ホールディングスも比率 上昇に伴い上げた。半面、除外されるほくほくフィナンシャルグルー プ、広島銀行は急落し、東証1部の下落率上位に並んだ。

東証1部の売買高は概算で19億8244万株、売買代金は1兆1862 億円、値上がり銘柄数は325、値下がり1260。国内新興市場では、ジ ャスダック指数が前日比0.2%高の50.00と小幅反発、東証マザーズ 指数は同0.9%安の320.73と4日続落した。

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