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債券は上昇、ギリシャ懸念で避難買い-日銀の付利引き下げ観測も

債券相場は上昇。ギリシャの政局 混迷などを背景に内外の株式相場がほぼ全面安となる中、投資避難先 として日本国債が買い進まれた。また、日本銀行の超過準備預金金利 (付利0.1%)が引き下げられるとの観測も買い手掛かりになったと の指摘も聞かれた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は、日銀オペの札 割れや一部報道で日銀の付利引き下げの思惑も伝わり、2年債利回り が 0.1%を下回ったことなどを背景に「買いムードが高まっている」 と指摘。短いゾーンから買われた後、超長期ゾーンには生命保険の買 いのほか、年金基金による利回り曲線平たん化を狙う買いも加わり、 「現物債は幅広く買いが入っている」と説明している。

東京先物市場で中心限月の6月物は、前日比8銭高い143円33 銭で開始した後に付けた143円27銭を下値にじりじりと水準を切り上 げる展開が継続。午後は一段高で取引を開始し、一時は31銭高の143 円56銭と、中心限月の日中で2010年10月21日以来の高値を記録し た。終値は24銭高の143円49銭。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の322回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.845%で始まり、午前は

0.84%で推移。午後に入ると徐々に水準を切り下げ、3bp低い0.82% まで低下。10年の最低水準に並んだ。5年物の103回債利回りは午後 遅くに2bp低下して0.225%と、10年10月以来の水準に落ち込んだ。 2年物の316回債利回りは0.095%と05年7月以来の低水準。

超長期債も堅調。20年物の135回債利回りは3.5bp低い1.60%、 30年物の36回債利回りも3.5bp低い1.77%まで下げ、いずれも10 年10月以来の低い水準。野村証券の松沢中チーフストラテジストは、 「きのう40年債入札を順調にこなし、超長期ゾーンへ資金が入りやす くなった」との見方を示していた。

リスク回避で債券市場に「資金集中」

ギリシャでは、6日の総選挙で政権発足に至らず、連立政権樹立 に向けた交渉が続いていたが、パプリアス大統領による調整も不調に 終わり、再選挙実施が決定。これを受けて、15日の米株相場は3日続 落。この日の東京株式相場も日経平均株価が一時100円を超える大幅 安となり、結局、終値ベースで1月30日以来の安値水準に沈んだ。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 「依然としてリスク回避に伴う安全資産への資金集中が続いており、 円債市場の需給は良好で、堅調相場が継続している」と話した。

日銀が午前に実施した資産買い入れ等基金における国債買い入れ オペでは、応札額が予定額を下回り、包括的な金融緩和策の一環とし て10年10月に同基金を導入してから初めて札割れが発生した。発表 によると、残存期間1年以上2年以下のオペで予定額6000億円に対し て、応札額が4805億円にとどまり、全額を落札した。

東短リサーチの寺田寿明研究員は「日銀が資産買い入れ基金を積 み上げていく中、短いゾーンの債券は売っても買うものがなく、オペ に応札しない人が増えている可能性がある」と分析している。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、「日銀は市場金 利を重視しているので実際に下げるかは疑問で、可能性があるとすれ ばサプライズ(意外)となる」とみている。

一方、財務省は17日午前、5年利付国債(5月発行)の価格競争 入札を実施する。前回入札された5年物の103回債利回りは0.23%に 低下しており、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント低い

0.2%か、横ばいの0.3%が見込まれている。発行額は前回債と同額の 2兆5000億円程度。

--取材協力:池田祐美、船曳三郎 Editors:山中英典、持田譲二

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