JPモルガン損失、金融規制改革法廃止訴えるロムニー氏に壁

今年の米大統領選で共和党の候補指 名が確実なロムニー前マサチューセッツ州知事は、金融規制改革法の廃 止論などを含む経済政策を選挙戦で議論したいと述べているが、米銀 JPモルガン・チェースの高リスク取引による20億ドル(約1600億円) の損失発表は想定外だった。

これまでのところロムニー氏は、ウォール街とワシントンを混乱さ せているJPモルガンの同取引についてほとんど言及していない。今回 の問題では米連邦準備制度理事会(FRB)が調査に乗り出したほか、 議会に調査を求める声が出ている。マサチューセッツ州から民主党候補 として上院議員選挙に出馬するエリザベス・ウォーレン氏は、JPモル ガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)にニューヨーク 連銀の理事職を辞任するよう要求している。

「ローゼンバーグ・ポリティカル・リポート」の編集者、スチュア ート・ローゼンバーグ氏は「企業が不必要で思慮不足のリスクを取って いることを示唆する事態になるといつも、民主党が攻撃材料を得て、共 和党には問題になる」と指摘。「ロムニー氏はこれに対処する必要が出 てくるだろう」と述べた。

プライべート・エクイティ(PE、未公開株)投資会社ベイン・キ ャピタルの共同創業者でもあるロムニー氏は、金融規制の強化を目指す ドッド・フランク法はオバマ米大統領が支持した過大な負担を強いる法 律の1つだと批判し、同法の廃止を訴えている。ロムニー氏はダイモン CEOによる10日の損失開示以降、これについて直接コメントしてはお らず、11日のノースカロライナ州シャーロットでの集会ではこの問題に 関して記者団が投げ掛けた質問を取り合わなかった。

両候補の比較材料に

ロムニー陣営の広報担当者、アンドレア・ソール氏は発表文で、 JPモルガンの損失は「デリバティブ市場の監督と透明性の重要性」を 浮き彫りにしたと述べ、ロムニー氏が大統領に当選した場合は「常識的 な規制を推進して監督当局に任務を果たすための手段を与え、投資家に は一段の透明性をもたらす」と説明した。

一方のオバマ大統領にとっては、JPモルガンの問題は両候補の立 場を対比する好機となっている。カーニー米大統領報道官は14日、「ウ ォール街改革を撤回し、ウォール街に再び自らルールを策定させるべき だと論じる人々がまだいることは驚きだ」と述べた。

原題:Romney Vowing Dodd-Frank Repeal Hits JPMorgan Risky Trades (1)(抜粋)

--取材協力:Julianna Goldman、William McQuillen.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE