クルーグマン氏:米国には歳出拡大が有効-債券利回りが示唆

ノーベル経済学賞受賞者で米プリン ストン大学教授のポール・クルーグマン氏は、米国の失業率が8.1%で も借り入れコストが過去最低水準付近にあることは、連邦政府の債務が 経済規模を上回るほど増加していても、同国には歳出拡大が有効である ことを示唆しているとの見方を示した。

BGOVバロメーターは、1-3月(第1四半期)の米政府の債務 が国内総生産(GDP)を1200億ドル(約9兆6000億円)上回ったこと を示している。2008年の金融危機以来、政府支出が拡大したことが背景 にある。07年9月に政府債務は対GDP比で71%だった。一方、米10年 債利回りは1.76%と、昨年9月23日に付けた過去最低水準の1.67%近く で推移している。

米国では来年1月から増税が実施される可能性があるほか、自動的 に予算削減措置が発動される。バンク・オブ・アメリカ(BOA)のイ ーサン・ハリス氏などは、これにより経済が停滞する可能性があると予 想している。クルーグマン氏は著書「End This Depression Now!」(仮 題「この不況を今終わらせろ」)の中で、09年の総額7870億ドルの景気 刺激策が「小さすぎた」ため、経済成長の停滞や雇用創出の減速が起き たと主張している。

クルーグマン氏は9日の電話インタビューで「まず、財政緊縮政策 は経済を縮小させるため、思うほど赤字を削減しない。また、長期的な 税収を減少させる」と指摘した。

クルーグマン氏は、景気低迷時に緊縮財政を実施することは自滅的 だと指摘している。同氏は市場は経済成長を促進するための借り入れを 容認する姿勢を示していると述べた。

同氏は「債券市場はこのような短期的な赤字措置について全く懸念 していない。どんな国でも、安定した政府と自国の通貨があれば、多く の猶予が与えられている」と述べた。

原題:Krugman Says Bonds Back Spending as Cuts Loom: BGOV Barometer(抜粋)

--取材協力:Shobhana Chandra.

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